MATSUO MEMO
   


KUNIHIKO MATSUO
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    (c)2003 MATSUO kunihiko All rights reserved.


               
    Tue, 30 Nov 2004


    取りあえず、引っ越しは半分完了。あと半分。全身筋肉痛。かみさんの友人のジャンギー夫妻に手伝ってもらったおかげで、少しは楽になったけど、三階から運び出して、三階に運び入れるのは結構しんどかった。ありがとう。落ち着いたら、ご飯でも招待しよう。
    部屋が増えたので、本来一畳あれば十分生活できるくらいの俺には、どう使っていいのかわかりかねる。想像力が不足している。「住む」ということについて、ちゃんと考えてみよう。建築家の濱中さんの仕事なんかをみると、まいにち俺の考えていないことをずーっと考えていて、仕事にしてるんだなあ、と、考えるわけです。しかし、まだ自分の家のようなきがしない。
    そういえば、書き忘れたけど、ソウルではleeumっていうサムソンが新しく作った美術館も見てきた。まだ臨時オープンで中を見るには予約が必要。しかも予約はいっぱいだったので、建物しか見ることは出来ないけれど、むしろ建物がみたかったのでいってきた。東京を発つときにすごいことになってると濱中氏に教えてもらって。レム・コールハースとマリオ・ボッタとジャン・ヌーベルという、俺でも知ってる大先生たちが一つの敷地に、どかどかどかっと美術館を三つおっ立てたらしい。実際に見てみると異様な光景。サムソンの社長がほしい建物を三つ持ってきて庭に並べてみましたっていう感じ。隣がサムソンの社長の家だし(笑)もしくは、住宅展示場で、この家は〜風、こっちは〜風、みたいな、違うテイストの家が脈絡なく並んでるみたいな。まあ、それだけそれぞれの作家性がハッキリしてるんだね。
    なんかソウルは建築でもすごいことになってるらしくて、リベスキンドの高層ビルもすごいデザイン。タクシーからちらっと見ただけだけど。
    しかし、建築家はいい。わかりやすい仕事だ。〜家っていうのはいいな。
    新しい家で、テレビをつけたら、自分の家のような気がしてきた。そんなもんか。
    腹減ったけど、ガスコンロがない。

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    Sat, 27 Nov 2004

    SEOUL備忘録
    思ったよりも疲れていたみたい。帰ってきてから荷物を置いて仕事場へ行くつもりだったのだけれど、少し熱っぽかったので水を大量に飲んで横になったら、見事(十分予想のつくこと、というか、半ばそのつもりで)爆睡。
    忘れないうちにソウルツアーの備忘録。
    結局、たいしてまとまらないまま思いつく資料をpawerbookに詰め込んで、早朝から成田へ。昼過ぎの飛行機だから、そんなに早くでなくてもいいものを、いつもよりも一時間も早くでる。
    飯名氏と合流して二時間半のフライトのあと、インチョンからソウル市内のセオさんとの待ち合わせ場所へ。挨拶もそこそこに、即初日の会場であるART CENTER NABIってところへ。とにかく、初日がどこで、二日目がどこで、そこがどんなところかもわからないままにつれてこられた感じなので、たいした立派なところで驚く。話によると、サムソンの社長の奥さんが金出してやってる東京でいえばICCみたいな所なんだという。で、到着そうそう、たばこ一本吸うくらいの時間のあとすぐにレクチャー。
    まずは、飯名氏がDANCE AND MEDIAの活動の紹介と、SAL VANILLAやらNESTやらRE[ ]やら、まあ、そのほかいろいろのカンパニーの特徴を比べたりしながら彼なりにうまく紹介。そのあと、約一時間半CMprocessのことやらについて話す。来場者数は五十人くらいか。どんな人が来ているのかさっぱりわからんけど、とにかくセオさんに通訳してもらいながら、丁寧に一生懸命(自分なりに)なはす。結構真剣に聞き入ってくれて、頷いたり、表情で反応してくれたりしていたので、うまくいったんじゃないかな?
    時間をオーバーしながら質問を受けたりして、名刺交換。これは日本と同じですね。で、名刺の枚数に気をつけていなかったので、なんと初日で名刺切れ(笑)
    あとで名刺交換させてもらった人たちの名刺を見たら、なんとか大学教授だとか、なんとかセンターキュレーターだとか、偉そうな人たちばっかりだったに驚く。ごめん、ジャージに野球帽で、長々と好き勝手なこと話して・・・・。
    そのあとは、NABIのスタッフの人たちと、同い年だという、現代音楽の先生やら、日本から女性問題で逃げてきたというデザイナーのアメリカ人やらと飲みに行く。初日から、しかもついてホテルにもチェックインしないままレクチャーして、こんなに人にあって、へとへと。へとへとだけど、チェックインしたあとセオさんと別れて飯名さんと近くのおしゃれ屋台に繰り出してビール。外国人とわかると、サービスでいろいろ出してくれた。女の子が話しかけてきて、この辺はファッションピープルが集まる最近トレンディーなエリアなのだと。でも、自分がどこにいるかわかんないので(未だに)どこだか教えられません。(ちなみに、次の日セオさんに聞いたら、そんなところではみんなビールなんて頼まないんだってさ。焼酎とか、もっとおしゃれドリンクなんだって)
    二日目は、セオさんに迎えに来てもらって、タクシーでまたなんだかわからないけど美術ギャラリーが立ち並ぶおしゃれストリートへ。飯名さんのリサーチに同行。なんだかよくわかんない(俺は)NPOがやってるポリティカルな作品を扱うオルタナティブスペース?っていうのか、そういうところでお話を聞いてもらいに行く。手応えありな予感。何か仕事になりそう。飯名さんがんばって。
    でそのあと、今度はHAJAセンターという、ソウル市がやってる職業訓練学校、っていうか、美術大学、っていうか、そんなところにいってレクチャー。ここは徹底して学生自治で、徹底して自由。文字通り何から何まで自分でやりたいこと決めてやるところらしい。説明すると長くなるから省くけど、慎太郎も東京にこんな所作ってやったらいいのに。
    で、おやつを食べながら、十五人くらいかな?こんどはくだけた調子で考えてることを話す。ここでもおもしろがってくれたみたい。
    おわって、ついに焼き肉屋へ。またどこだかわかんないけど、うまいところがある、というのでHAJAセンターのディレクターの先生と線路沿いの焼き肉屋台街みたいな、ションベン横町みたいなところで、これぞ焼き肉、という焼き肉を食う。去年ソウルでくったものより、うまい(笑)
    二日目は、これでホテルに帰って、撃沈。
    三日目。去年見ることが出来なかった、パイクの「多いほどよい」が見たかったので、ちょっと早起きして現代美術館へ。現物見たら、盛り上がるね。ロックコンサートを見るときの気持ちのような感じ。テートモダンでデュシャンの大ガラスのレプリカ見たときも、かっちょいいー、と思ったけど、そのときのよう。ストーンズのコンサートで初めてキースが(豆粒くらいに)見えたときとか(笑)ちょうど、日本と韓国の若手アーティスト、みたいな企画をやってたので、そいつも見る。ヤノベケンジさん、ですか・・・・。
    ちかくでクッパを食ったあと、またなんとかというギャラリーっていうかオルタナティブスペース?(なんだそれ)に話を聞いてもらいに。去年、ゴージャラスがきたらしい。松蔭さんと宇治野さんの話題も。アポなしだったのにかかわらずここの人はほんとにていねいに応対してくれて、しかも、ここはうまくつながりそう。小さいとこだけど。CMprocessに食いついてきたみたい。
    最後のレクチャーは、IDASという、これも行くまで何のことだかさっぱりわかんなかったんだけど、International design school for advanced studiesっていうのの略で、なんていうか、デザインの大学院?よくわからん。で、結構ハードコアな感じ。一番びびる。
    レクチャーはほんとに、大学の授業のような感じで進む。ここでは、飯名さんのプレゼンはなしで、CMprocess-potentiality for generative performance-と題して。教室だし。でも相変わらず、野球帽にジャージで申し訳ない(笑)参加者は大学院だけあって、大学院生らしい人から、大学院生らしい人まで(笑)でも、大学の授業っていうのですこしへこむのは、出入り自由なわけだから、話の途中で席を立ったり、少し眠そうにしてる人もいたりすること(笑)でも、ほとんどの人は集中してくれて、頷いたり、メモ取ったり、ビデオまで撮影したりするひとも。今回も時間をオーバーしながら、質問大会。セオさんはもう三回も俺の通訳やってくれてるから、難しそうな質問にも、俺の話をふくらませて、丁寧に説明してくれてる。セオさんによると、特別レクチャーでこんなに人が集まって食いつきがいいのはしらないというので、ここでも満足。
    めしは、なんていうの?あれ、豚の焼き肉。脂たっぷりの。それ を食ったあと、東大門にくりだし、飯名さんの帽子とセーターを買うのにつきあう。相変わらず、ぱちもんの客引きが多い(笑)気に入ったセーターがなくもないんだけど、知らずにどっかのブランドのまねまねデザインだったりすると困るので(多分そう。〜タイプ、って説明するんだよね、店員が。これはプラダタイプです、って(笑))ためらって、結局俺は買うのをやめる。
    おみやげはやっぱり、スーパーマーケットだろう、ということで、二十四時間のスーパーで、マッシブな唐辛子の袋詰めやらを買っていたら、IDASの教授からでんわで、時間があったら、話がしたいというので、グランドハイアットのソウルが一望できるロビーへ。すまん、ここでもジャージに野球帽・・・・しかも、スーパーの買い物袋。話というのは、来年、なんとか大学(名前が思い出せない、っていうか韓国語の発音なので、覚えられない)というマンモス大学で、五月に大きな記念イベントがあるんだけど、そのパフォーマンスの所のディレクションをやってほしいという。で、いくらくらいかかるのか、とか、どんなことやってほしい、とかそんな話。まだ、どうなるかわからないけれど、うまく決まれば、チャンス。日韓合作の結構大きな規模の作品を作ることになるだろう。ツアーもできるとか何とかいってたし。もんだいは、インドのスケジュール、と、これの方が問題だが、webの方。どれもこれもやっていたら、来年はほとんど神楽坂へは行けない。だからといって、もうすでに来年予定されてるいくつかのオファーを断っているんだから、神楽坂にいるために断り続けるのは、いかがなものか・・・・・でもね、それでは、生活が出来ないのだよ・・・・生活が成り立つだけの金が動かないんだよねえ。まあ、そんなことを考えながら金の話もしながら、猛烈にたばこを吸いながら、胃がどんどん痛くなっていく。非常にうれしい話なはずなのに、なんで、胃が痛くなっていくんだ・・・・・俺は何やってんだ・・・・と。深夜一時半くらいまで?はなして、ホテルへ。寝酒のビールを飲みながら考える。売る「もの」作ろう、と。もの?なにを?
    七時に起きてインチョンへ。そんなことずっと考えながら、家にたどり着いて、事務所に行くつもりがぶっ倒れる。
    明日、明後日は、そんなことは全く考えないようにしなければ。引っ越しだから。

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    Mon, 22 Nov 2004

    前頭葉が弱い
    引っ越しの準備が進まない。ADDとかいう片づけられない病にかかっているんだろうか。いや、のってくると我ながらすごい集中力を見せてあっという間に片づくので、ただめんどくさいだけなんだろう、俺は。無性にトマトグランバーガーというものが食いたくなり、かみさんを口説いてマクドナルドへ。昨夜「華氏911」をみながら心の中で毒づきまくった呪いか・・・・。
    昨日は、毎年タナカノリユキ氏と心理学者?の下條信輔氏が監修して行われるルネッサンスジェネレーションという、なんつうか、レクチャーショーみたいなものの現場に、今回は純粋に裏方としてはいる。今年のテーマは、決断の一瞬には何が起こっているのか・・・っていうはなし。話がおもしろくて、仕事どころではない。本来、裏方的にはなるべく時間がおさないように、と考えるべきが、心のどこかで、もっと長くやれ・・・もっときかせろ・・・この時間じゃ、足りないでしょう、センセー、なんて考えてる。そんなおれがタイムキープしてるせいか、三十分押しで終了。本番中、舞台袖で話を聞きながら、俺にいませまられている決断の数々を考えさせられた。ああやってノリユキさんみたいに質の高い仕事をしていくためには、ちゃんと決断しなければいけないときがあるんだな。で、その決断はどこから来るのか・・・・。・・・・もういい。ねる。
    明後日からソウルじゃないか・・・荷物の準備もしてないし、それより、資料・・・・。

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    Fri, 19 Nov 2004

    violence
    新宿の紅茶屋(たかが茶なのにすばらしくすてきで、一斉水平射撃したくなるような)で「エトインテラパクス」(綴りがわかんない)の有村さんと打ち合わせ。トップダウンスタイルへのこだわりをストレートに、真摯に語られる。いわゆるアーティストでない俺は、有村女史の切々とした語りに胸を打たれて、(傍目からはそうは見えないだろうけど)ものすごい大英断。大江戸線で同じ言葉を頭の中で四千回くらい繰り返して、やる、と。
    考えてみれば、それほど性に合っていないわけではない。いつもやってることではあるから。久しぶりに、ここで、これが出来るか。まだ体力があるので、そのくらいの事したって、死にはしないだろう。
    そのあとはいつもの盟友たちと、酒場で。けして美しくはないが愛すべき人たちを見ていると、なぜかあたまのなかではかみさんの顔にオーバーラップしたled zeppelinのフィジカルグラフィティが一曲目からぐるぐる。それらがすべて同時に頭の中で処理される、されても問題なし。全曲終わったあたりでお開き。
    明日はノリユキなので、そろそろ寝る。
    支離滅裂だけれど、ほんとにそれだけ。
    つまんねえなと思いながら、ビニール傘を、誰も周りにいないことを確認して電信柱に、中村ノリのまねをしてたたきつける。
    完全な傘のできあがり。瞬間、アヌーシャの顔が思い浮かぶ。「今、私がほしいものわかる?・・・・ヴァイオレンス」

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    Thu, 18 Nov 2004

    vertigo
    引っ越しに伴う公共料金やらの手続きをすませ、不動産屋へ引っ越しの日取りを伝え・・・・そのくらいまでは覚えているのだが、そのあとは記憶にない。
    ここ数日生産性の全くない日を過ごす。こういうときこそ、時間を無駄にせず、がっつり調べものや考え事なんぞをして、さらには新作なんかを作ったりしてみたいものだが、いかんせん、勤め人としては机から離れるわけにもいかず、じゃあ自分がやってきたことと知ってることでも頭の中に並べながら半生の反省でもしてみようかと思いを巡らせていると、めまいがして、叫びたくなって(ほんとに叫んでいたかもしれない)気を失う。気を失うこと十時間以上(なんと十時間)。毎日十時間以上気を失っている。それに睡眠時間を入れると、覚醒しているのは四〜五時間か。
    このところ事務所にスケートボードのビデオの編集に来ているタケシとはなす。いわく「インドにいると生きてるって感じするよねえ」。よく言われることだが、全く同感。
    気を失っていると、背中から肩を通って頭頂までが一様にばりばりにこるので、なんとか仕事を作って、人はどうやって動くんだろう、なんて事を考え始めないようにしなければならない。
    そういや、U2の新作を聞いた。なんか、一様にべたな感じがする。やっぱりイーノとラノアのコンビがいいなあ。彼らがプロデュースすれば、べたな曲でも、ちゃんとストレンジでそのバンドオリジナルな感触が残る。同じようなコーラスやらブリッジのおかずでも、今作のアレンジはいちいち汗くさいくかんじる。ちょっと赤面してしまうような微妙さ・・・。まあ、一回しか聞いてないので何ともいえないけど。スティーブリリーホワイト、と聞いて、なんとなく予想がついたイメージそのまんまだった。ちゃんとしてるんだろうな、でもいい意味で裏切られる、ってこともないだろうな、っていう感じ。U2とスティーブリリーホワイトだけだと、優等生すぎて、汗くさくなってくるんじゃないか。リリーホワイトもアイルランド人か?

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    Tue, 16 Nov 2004

    授業
    昼過ぎまで、二度寝、三度寝を繰り返し、銀行などへ行き、やりくり関係を済ませ、二度寝三度寝のおかげで風邪から回復したのか、自転車も息切れ無しに神楽坂へ。韓国レクチャーの資料作りをしながら、気になるものをネットで調べているうちにSFCのグローバルキャンパスとかいうサイトにたどり着き、なんか頭がよくなりそうなのでストリーミングを見始めたらはまる。そうこうしている間に日が暮れ、かみさんが出張なので、猫の世話をしに早めに帰宅したあとも、おもしろそうなテレビもないことだしずっと見続ける。一本一時間半もあるんだけれど、みんなたいしたことはいっていなくて、五分ありゃもっと簡単に学生を納得させられるようなことをだらだらと偉そうに話してるのが、おもしろい。そうでない偉い先生もいることはいる。でも、一人の人間がほんとに自分で気がついて本当に言いたい事なんて、実は五分で説明がつくようなことにまで抽象化できるのかもしれない。で、結局4~5本見た。なんという一日・・・・。
    しかし、おかげで、自分が話さなければならないことの大体のイメージはつかめた。っつうか、それだけ人の話聞いて、自分のことしか考えていなかった(笑)
    しかし、こんな時間(午前四時)になってしまった・・・・。が、全く眠くない。寝るという事がイメージできない。俺は寝るのだろうか?それというのも、全く疲れていないから。働かざる者食うべからず、というけれど、働かざる者寝るべからず、と、どなたかからいわれているような気もする。
    最近どんな音を聞いてもおもしろくないので、逆に、この音をおもしろくする環境はどうすれば作れるかを考えることにした。掃除でもするか・・・・っつうか、引っ越しの準備・・・・。

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    Sun, 14 Nov 2004

    Most likely you go your way and i'll go mine
    さあや、よかったね、っつうか、土曜日は弟の結婚式、披露宴に参加。朝からものすごい酒量。こんな事でもないと、日常では思いつきもしないようなchez matsuoでおフランス料理。育ちが悪いのか、長年の貧乏が俺の心をゆがませているのか、一口一口、謝りたくなるほどうまいのが悔しくおもう(笑)まあ、そこでは身内だけだったので酒を飲んで飯を食ってあいかわらずの気まずい近況報告大会。皆ストレートに、「今なにやっているんだ」と尋ねてくるが、説明がつかない。真面目に返さなければいかん、と思う人物にははぐらかさず説明を、と思うのだが、ただでさえ長くなりがちなはなしが、四十五倍くらいに長くなりそうになり、「まあ、何とかやっていけております」なんて話でうやむやになる。ストレートに「おまえはなんだ」と訪ねたくなるくらい、謎なんだろう。俺でさえ謎なんだから。
    披露宴まではまだ時間があるというので、久しぶりに両親とかみさんと午後を過ごす。渋谷で茶飲み話をしたり、東急でやってるpopart展とやらを見に行ったり。いつものように、父は入り口から出口まで(たぶん)十分とかからずに通過。それでも、自分なりに何か納得しているようで、満足げな顔をしている。絵を見に行くのは好きなようでガキのころからよく連れて行ってもらったものだが、父が絵のどこを見て何に納得しているのかは未だにわからない。
    結婚式の披露宴に出席するとかならず自分の居場所が見つからない気持ちになるというか、自分が場違いなところにいるような気持ちがするものなんだろうか。映画の宣伝屋をやっている弟らしく、まるでバラエティー番組のような趣向を凝らした楽しい宴会だったが、まるで対岸でバーベキューパーティーをやって大騒ぎしているグループを缶ビール片手に眺めているような気分のまま、黙々と酒を呑み、手練れた司会にのせられながらクイズなどに参加し時間は過ぎる。「お兄様ですか?お噂はかねがね」なんて、悪意はないにしても、そういう噂は笑い話のネタにでもなっていることは必至なので、苦笑いで相づちなどを打っている間にお開き。
    見回すと、自分が一番堅気な仕事を指向している人間に思えてきた(笑)昼間感じたのとはまるで逆だ。
    亘君。君は成長したな。自分の道を見つけたようだ。
    そしてスピーチもよかった。かわいいかみさんと幸せになることを祈る。

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    Sat, 13 Nov 2004

    面倒ライン
    引っ越しの準備やら、韓国でのレクチャーのための資料作りなど、やらなくちゃいけないことはたんまりあるのに、どうにも真面目にやるきがでない。いつも、面倒くさいことがあると、面倒くさいという事実を確認することで時間が過ぎていく。非常に優秀な人間たちにかこまれていると、なぜ彼らは(彼らも面倒くさいと考えているのだろうが)そう易々と仕事をこなしていけるのか、その気力がどこからわき上がってくるのか、それはもちろん、責任というものもあるだろうし、仕事を楽しむだけの甲斐性もあるのだろう、けど、俺にはそれらが決定的にかけているようなきもするし、しない。
    明日は弟の結婚式なので、朝早くからスーツを着て街を歩くのかとおもうと、つまらない気分になる。ネタのおもしろさに自信のない仮装をしてハロウィンのパーティーへ行くようだ。要は、着慣れていないだけだけれど。自分の貧相な体がスーツに似合うというイメージが全くわかない。俺とよく似た父はスーツがよく似合う。父とよくにたおれもスーツが似合う男になるのだろうか。ある程度は経済力だな。いいスーツと、身のこなしを経験で覚えれば、それなりには成るか。いまのままではいかんともしがたい。
    とにかく、三十五になるまで、夏はジーパンにTシャツ、冬はジーパンにTシャツ、に上着、という服装で仕事も遊びも貫いてきたので(貫いた、というと強い意志を感じるかもしれないけど、実のところはそれしか思いつかなかったから・・・・)それ以外の衣類は、どこに袖を通していいのかさえわからない。
    かみさんには、もっと何とかしたらいかがかといわれるけれど、その何とかするのがめんどくさい。何とかする手だてを考えるのがめんどくさい。また、面倒くさいという事実を確認することで時間が過ぎていくのかと思うとめんどくさい。
    世間を観察すると、どうも、服装センスのない人間は、誰にでもある青春時代、その人なりに「ぶいぶい」いわせていた時代の服装をかたくなに守っていたりしていて、ちょっとグロテスクな印象を与えていることが多いような気がするのだけれど、俺なんかは物忘れもひどく、物持ちも悪く、なんのスタイルもないから、ほとんど迷彩服のように自分が消えている。きがする。
    ずっと着ていたセーターの肘がすり切れてきたので、もう捨てよう。そろそろ新しいのを買おうか。
    ソウルで買おうか。そうしよう。ソウルで買おう。 今、思ったが、めんどくさいのは、能力がなくて、仕事をこなすのに人一倍エネルギーを費やさねば、人並みの仕事が出来ないから、もちろんそれは服装にもいえて、人一倍気合いを入れなければ、どうにもならないことがわかっているから、そのハードルを考えると、めんどくさくて、何も考えないで寝てしまった方がましだと思うんだ、ろう。面倒ラインが低いのだ。それから、責任感もないのだな、あるのだけれど、ない。

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    Thu, 11 Nov 2004

    無力感くさい
    またしばらく書かないうちに十日以上たってしまった。
    書かなかった間には、引っ越し先を決めようということでたまたまはいった不動産屋で一件目に見せてもらったところに即決したり、実はひどい風邪を引いているのに、しこたま呑んでは「風邪ひいてるなあ俺は」等とおもいながら吐いてみたり・・・・いろいろなことがあったなあ、と書きたかったけど、それくらいしかなかった。おれには。
    俺の誰も気にとめない日常にはなにもなくても、ジョージ・ブッシュ氏が再選されたり、何かの犠牲になって死んでいく人がたくさんいたり。俺でさえそうなのに、ものすごい無力感を感じてしまっている人が、この十日あまりの間にどれだけ増えたことか。なんか、無力感がプーンとにおってくる。せかいは無力感くさい。まずい。
    前向きっぽいことをいってみよう。
    十三日は弟の結婚式。弟、っていうのは、なんというか、他の誰とも違う。当たり前か。自分のようでいて、絶対に他者。でも、なんていう言葉で表せばいいのかわからないけど、かみさんを愛しているというのとは別の意味で、恋愛感情のような、不思議な愛を感じてきたんだなあ、と思う。まだ結婚相手にはお会いしてはいないけど、あの人間を愛する人間に、この世で会うことができて、あの人間のことについて話が出来るなんて、非常に希有な体験だ、と思う。
    そういえば、今日はビールを飲んでいない。
    あたらしいpowerbookにしてから、調子が悪い。
    たばこは控えよう。最近たばこが無力感くさい。
    何も特殊ではないことでも量が何かを変えることがある。たまに量を変えてみると、思わぬことが起こるかもしれない。あえてベタだからと避けないで。itunesのシャッフル再生で今まで聞いていた退屈な音楽が違って聞こえるようになるように。

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