0328
三月二十八日午前十時、バンガロール到着。とうとう今日と明日だけになった。 十八時間の列車の旅は、ほとんどねていた。九時半ぐらいになってジャイに起こされると、周りで寝台を出してねているのは俺だけだった。
ものすごく背中が痛い。寝がえりもままならない狭い寝台でねていたせいもあるし、相当疲れていたんだろう。
大荷物を二〜三人のクーリーに担がせてタクシー乗り場に行き、トリバンドラムよりは交渉が楽に進むタクシーに乗り、一月ぶりにアタカラリへ。スタッフダンサー勢揃い。やっと帰ってきた。ほっとする。
自分の荷物だけを持って、去年とまっていたサブラワールホテルへ。トリバンドラムに行く前にたなみ君と泊まっていたジャイのフラットは解約してしまったらしい。
ホテルにはいると、去年の思い出がよみがえってきて、まるで去年の続きをやっているように感じる。シャワーを浴びて、明日の下着とTシャツの洗濯を済ませ外に出て、ジューススタンドでパイナップルジュースを一気飲みし、アタカラリへ。ジャイとアヌーシャと待ち合わせをして、アヌーシャが今日はインド料理は食いたくない、というので、ゲーテインスティテュートの上のドイツ料理屋、っていうか、カフェへ行きシュニッツェルを食い、チーズケーキを食い、インドに来て初めての本物のコーヒーを飲み、ゲーテインスティテュートのディレクターのおばさんに面会し、アタカラリへ戻る。今日は、なんか今までになくリラックスした一日だ。膀胱がゆるむ感じだ。なんだかよくわかんないけど。
アタカラリでハードディスクの整理をしていると、アヌーシャのお母さんが到着。一通り、今までやってある分を見てもらい、意見を聞く。なかなかいい評価を得る。いろいろ意見をもらう。これは、いろんなユーザーにテストしてもらって意見をもらう必要があるな。もっとなんとかなるはずだ。時間があれば・・・・。
ダンサーたちのリハーサルを見学して、荷物をまとめ、ジャイの家へ。お母さんとアヌーシャとジャイで食事。ナンダキショーも誘っていたんだけど、突然用事が出来たらしく、これなくなった。彼のためにたんまり買っておいたビールを、アヌーシャのお母さんと俺だけで呑む。久しぶりにいい感じに酔う。もちろん日本でのように羽目を外すわけにはいかないけど。インドにいると、っていうかまわりがインド人だけだと少しでも酔うのが恥ずかしくなるんだよな・・・。
アヌーシャとお母さんは明日の朝からスリランカの家に休暇に向かうという。そこはものすごいきれいなビーチにあって、テラスから手をたたいて漁師を呼び、いま食べたい魚を捕ってこさせることが出来るという。なんだそれ(笑)
十一時くらいにアヌーシャとお母さんに再会の約束とさよならを言い、ジャイにサブラワールへ車で送ってもらう。
ホテルに戻りテレビをつけると、スマトラの大地震のことで大騒ぎ。TSUNAMIがくる!と、どのニュースもそればかりだ。スリランカ、大丈夫か? で、TSUNAMIのニュースの間にマイケルジャクソンの裁判のニュース(笑)TSUNAMI、マイケル、TSUNAMI、マイケル。それしかないみたいだ、今世界では。
さあ、明日は最後の日だ。三時にアタカラリでジャイと次のプロジェクトのミーティングの予定。それまでは、シティーマーケット、MGロードあたりで、土産物を買いに行くつもり。みやげ?なに?なにがいいの?なんかあるの?めずらしいものが・・・。不思議だ、ここにいるとすべてが違うようにみえるのに、何も思いつかない。 この日記がインドで書く最後の日記になるだろう。
次の日記は東京で書くのだ。
東京は今桜が咲き誇っているだろう。ツンツクツクツクツン・・・・(宮城道雄、だっけ?)
インドも変だけど、日本って変なところだなあ・・・。日本って、ほんといい国だなあ・・・・、とおもう。国、としてはよくないな。っていうか、いい文化を持ったエリアだなあ・・・・。ものすごく、ビット数が高いと思う。
いろいろ考えた、いろいろ気がついたこともある。いんちきでつまらない物、つまりサンスクリット?でいう、マヤが、自分の周りに一杯だ、と勝手に悟ったりして・・・。マヤに気をつけろ。ジョージハリスンみたいだな(笑)。
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0326
今、バックアップ中。
昨夜はキューポイントを決める作業をするアヌーシャとジャイをおいて、深夜二時にホテルへ帰る。朝八時に起こしに来るというジャイが、いくら待ってもこないので、どうせまだやってるんだろうと思い、八時四十分頃出勤するも、六時半くらいに帰っちゃったらしい。おわったのかな・・・・?
でたらめに散らばった大量のデータをまとめ、FCPのキャプチャーデータフォルダのなかになぜか大量に混じっている、関係のないインド映像を大量に捨て、というかバックアップとってやり、(っていうかおなじプロジェクトファイルで違う仕事しないでくれ・・・・)必要な分を選別。二百ギガ。そいつを昨日航空便、っていうかダンサーに持ってこさせたハードディスクにコピー中。二百五十ギガが、一万六千ルピー、日本円で四万円くらい?たかいの?やすいの?まあいいけど、ちょっとした出費だな・・・・。
昨日は、ちょっと思い出したくない・・・。実は少し後ろの彼をしかってしまった・・・。頼んでおいた完成イメージDVDの作成をいつになってもやろうとしないので、今日は最後だから少なくともムービーデータをのぞいたデータでディスク作らなくちゃいけないでしょ、どのファイルをインビジブルにして、DVDでハイブリッドは可能なのかしらべておいてね、どういうファイル構造にするのがベストなのか考えてイメージ作っておいてね、と、一週間前から言っていたのに、必要ないと何度もいっている変なバナーとか変な・・・・いろいろ、作っては人に見せたりしている。さぼっているわけではなくて、そういうことなのだ、ここで言う仕事というのは。で、だから、早く作って見せてくれ、作れなかったら、何が問題なのか、いってくれ、といってハッパをかけ、しばらく待つと、完成したと自信満々で出してきたのが、ただ必要ない彼の作ったデータと、俺がサンプル作成用にコピーしたデータそのままが、どかっと一つのフォルダに入って、アイコンも何もついていない(っていうかおれが書き出したプロジェクターそのもの)プロジェクターを指さし、これをクリックすると始まる、とかぬかす。いや、俺はさんざん完成イメージを作れといっていたんだぞ、ユーザーにどのファイルも丸見えだし、しかもディレクターファイルはプロテクトもされていないじゃないか、この状態で売るのか?君は?プロダクトになるようなイメージのディスクを作ってくれと行ったんだぞ、ああ、わかってます、これで売れます、って君はCDROM屋さんだといってたろ、売ってるCDがどうなってるかしってるだろ、それと同じにしてくれといっても、同じだ、と。同じじゃない!しかも変なものかってに入れるな!何で君が趣味でつくった画像とか、俺がいらないとさんざん言った画像やら、まだプロテクトもしていないファイルやら、同じファイルがいくつもいくつもがてんこ盛りで入ってるんだ!いいか、開いたらプロジェクターのアイコンとリードミーとクイックタイムのインストーラーだけが見えるようにするんだ、それとオートランもアイコンもちゃんとうごくようにするんだ!と、語気を強く言ったら、周りのインド人たちが急にちゃかちゃか動き出して、DVDの作り方を調べ始める。っていうか、それをやれ、って一週間まえから毎日言っていたんだ。と、しかって、俺が泣きそうになった。
一時間ほどして、呼ばれたのでいってみると、これで大丈夫だと言ってみせられたのが・・・・さっきと同じ変なファイルてんこ盛りマックユーザーにもウィンドウズユーザーにも変なファイル全部丸見え、っていうか、さっきと同じじゃん!俺の言葉がちゃんと伝わっていないはずはない!もういい!俺がやる、俺が調べる、君が調べてくれないのなら俺が調べる!・・・・・
で、ね、これを書いていたらまたまたショッキングなことが・・・・。呼ばれたんです、コピー作業がストップしてるよ、と。あとのこり一分!と書いてあるところで、虹色の●がぐるぐる回って、クリックが不可能になっている。ん?なんだ、何が起こったんだ、とおもってよくみると、コピー中のファイルのインフォメーションのウィンドウがてんこ盛りで開かれている!で、インデックスを作りまくっている途中にコンフリクトしたらしい。コピー中だし、って、今大量にコピーしてるんだから、いじるな!四時には駅に行かなくちゃいけないんだぞ、今一時じゃんか。ここまでコピーするのに二時間半かかってるんだぞ、どうしてくれよう・・・・。どこまでコピーできてるかわかんないじゃないか・・・・。三十分くらい前からとまっていたらしい・・・・。しかたない、フォースクイットでやり直しだ、と判断して終了、残りのデータをコピーし直そう、と思ったら、ハードディスクのフォーマットぶっ壊れて認識しないじゃんか・・・。はじめからやり直してます。表示を見たら、のこり二時間、とでています。いま一時だから、三時、ぎりぎりだな。でも一つだけしか作れないな・・・。
でもきょうはおこりませんでした。ドントタッチ、プリーズ、ドゥノトタッチエニシング。サンキューベリーマッチ。リーブミーアローン。といっただけです。
本気で・・・早く帰りたいなあ。
あ、でも、これは一般的にいえることではないですよ、ちなみに。なんか、彼らが特別なんじゃないかと・・・。政府関係の施設だし。
ちなみに、ジャイとアヌーシャはがんばりました。ほとんどコンピュータの知識なんてないのに、一生懸命リサーチして、作業して・・・・自分らのプロジェクトだからそれは当たり前なんだけど、不慣れで仕事は遅いけど、その分ねないでがんばったから。お疲れ様。 クリス、みんながんばってるよ。もうすこしでできるからね。楽しみに待っててくださいよ。
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0325
昨日は仕事場で徹夜作業。あけがたすべてのムービーをコンプレッサーにかけて圧縮をはじめる。
一応、深夜に編集作業が終わったというので一通りチェック。といっても四百分全部見ることは出来ないので、ファイナルカットのタイムラインを見て、変なことやっていそうな所を見つけて直す、といっても、いま全部見るわけに行かないので、頭に黒みが入っていたり、お尻に変なファイルがくっついていたり、音声トラックが二重三重に重なっていたり、途中になぜか黒みが何秒も入っていたり、見るからに音が割れまくっていたり、なぜか方チャンネルしかなかったりするような所を直していく。青ざめながら。これは日本に持ち帰ったら、大変な作業が待っているぞ・・・・と思いつつ・・・。一応、映像編集のプロだという人物がオペレーションしていたにもかかわらずである。いちいちプロという人物がどんな編集の仕方をしているのかチェックしていなかったから、基本的なファイルのまとめ方とか名前の付け方とか、編集のルールを確認して任せていたのだが、見事に全部、ない。おかげで、ファイル整理、もう一度名前の付けなおし。 さらに、撮影環境がひどいために、音にノイズがのっているは照明がひどいわで色味調整と音調整に難儀する。で、黒バックで撮影してるんだけど、カメラが四六時中動きまくるので、いろんなもものが見切れてる(笑)黒くない物が。天井から変な物がふってたりするし。物売りの声やクラクションが入ってたりするし。なんだかしらない動物の声とか(笑)インドらしいといえばインドらしいんだけどね・・・。これはもうはじめからわかっていたことだけれど、もっと早く編集が終わって、これに二〜三日時間を費やせると思っていたが、もうここまで来たら無理だ。いちいち全部のムービーをアジャストさせることは不可能なので、全部同じ設定でフィルターをかけ、一応、黒みがちゃんとでるようにしようとする、が、やっぱりある物は強すぎ、ある物はぜんぜんだめ。なるべく黒をぶっつぶしてやらないと、黒みに圧縮ノイズがめだつ。日本に帰ったら、まず、全部見る。みてなおす。四百分みるか・・・・バラタナティヤムの勉強をかねて(笑)。
で、きょうは午後から出勤。十時頃、思い出せないがたぶん悪夢を見て飛び起きたので(笑)四時間くらいしかねられなかった。仕方ないので、飯屋のお兄ちゃんに約束した彼らの写真をいれたCDを手渡しに行くのをかねて、その飯屋にいく。久しぶりに行くと、ものすごい歓待ぶり。ほとんど店のスタッフ全員が、入れ替わり立ち替わり挨拶に来る。マサラドーサを食っている間中、周りを五〜六人のインド人に囲まれて、じっと見られている。一口食ってはいちいち、ナイス、とか、アイライクディス、とかウーン、とか、ワーオ、とか言わないと許してくれない雰囲気(笑)しかも、もう日曜日にはバンガロールにかえるよ、といったら、店を出るときに握手攻め。読めない文字で書かれたメモ書きやら、なにやら電話番号らしき数字の羅列を書いた紙を何枚も渡される(笑)。こまったなあ・・・。
仕事場につくと、なんか今日は隣のホールで映画上映会をやるらしく、若者どもが詰めかけている。明日は小津安二郎だそうだ。例によって、じろじろ眺められながら地下に潜ると、誰もきていない。そりゃそうだ。ネットもつながらない。ネットがつながらない理由は想像するに三つ。回線が悪い、インドでは電話線にすごーくノイズがのっている、でよく切れる。それと、停電。毎日、一時間おきくらいに停電があり、一時間くらい復帰しないこともよくある。それと、これは何とかしてもらいたいが(っていうかもういいけど・・・)ネットの係がいるらしくて、そいつがいないときは切れてる(笑)で、そいつが帰るときは切ってからかえるので、大体七時くらいになるとおしまい。どういう仕組みになってるんだろう?
もうすぐ帰るとおもうと、何だかどうでもよくなってきた。もうあとは日本でゆっくり(ゆっくりは出来ないが・・・)やって、四月中にこっちに送り返すプランBに移行したことだし。で、ジャイも俺もトリバンドラムからぜーんぶもってかえらなければならないので、ハードディスクを手に入れなければならないということで、二百ギガのハードディスクを購入することにする。で、さがす。いろんな所に電話して、探す。でも、ない(笑)トリバンドラムで、二百五十ギガのハードディスクを手に入れようと思ったら、発注して何日も待たなければいけない。それはありえない、もう日曜に帰らなければいけないのに。ジャイは、ソースのテープを持っているからキャプチャーし直せばいいが、俺はそうはいかない。なので、キャプチャーした素材が全部必要なのだ。で、ジャイはバンガロールに電話して、バンガロールでゲットして、誰かに飛行機でこっちに届けさせることにした。そんなの聞いたことないぞ(笑)。 で、なんかアヌーシャとジャイが深刻に話し合っていると思って、どうしたのか聞くと、コンテクストセクションの構造にっていうかまとめ方に矛盾点があるらしい。どうもバラタナティヤムのマスターたちのレクチャーの部分を見直していたら、なんだか今のやり方だとうまくまとまらないらしい。で、細かく聞いていると、それははじめのころの俺の認識と同じかんじで、なんかいつの間にかそうじゃないような感じの話の流れになっていたので、ああ、俺の認識が間違っていたんだなそれならいいちゃんと英語わかる人の判断に任せよう、とおもったところだった。がっかり・・・。確かに、俺もどんなことをいっているのか全部チェックしなかったから悪いんだけど、全部内容をチェックするのは大変だなあ、と思ってしまった。でも、ジャイたちの話をはじめのころ聞いた限りでは、そういうことだと思っていた、その通りだったから・・・まあいいんだけど・・・。 もう、俺は判断したくないな。構造やデザインに関して判断してクリスとやり合って・・・というのが、もう集中力の限界で、出来そうにない。いいんだよ、考えて、それを実行するだけなら。でもドイツとやり合うのはもうごめんだ・・・。俺の意見を言って、クリスに確認してくれ、とジャイに託した。何を言っても、たぶんクリスは縦に首を振らないから、それなら彼に決めてもらおう。ここまで来たら、完成させるのが俺の役目だ。やったと思う、よくやった。でもクレジットのるんだよな、コンサルティング、デザイン、プログラミング、って・・・・。こういうときはどうすればいいんだろう、疲れた、なーんにもわかんない。正直言って、もっとうまくできたし、ちゃんとしたナビゲーションも作れたはずだが、ここには何もない。うーん、問題だ。一番重要な部分が欠けている。まあ、とにかく、説得が出来ない、食い下がれない俺の責任でもあるから、人のせいにしてもしょうがない。時間通りに終わらせなかった責任もあるし、ちゃんと四月にはマスターを完成させる義務がある。俺がやらなければ、誰も完成させることは出来ない。
今日は疲れたから、もう考えない、考えないぞ。
で、ネストはどうだったかな?去年も、ちょうどインドにいた。見事千里眼を発揮したけど、ちょっと今回は見えないな。そこにもクレジットされてるのに(笑)。成功したことを祈る。
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0323
プログラムの方に気をとられていたら、ビデオがやばい。バックアップのためのハードディスク購入のために、容量を調べようと、編集を一時中断してもらってファイルのチェックをしてみると、でたらめだ(笑)6テラバイトのアップルのディスクアレイが泣いてる(笑)
ということでファイルの整理とこれからの進行を管理。もうあと二日しかない。ぎりぎりだ。全くうまくいったとしても、トリバンドラムを出発する日曜の朝までかかる。
プランBに移行。(あまり考えないようにしていたのだが)すべてのファイルを日本に持ち帰り、デバッグとマスタリングは日本でやることになりそうだ。しかし、どこまでやれたかの確認のために、完成イメージのディスクを一枚作って行かなくてはいけない。
結局、インターフェイスに関しては、クリスの意向を最大限取り入れて落ち着かせた。あとは不具合を解消してムービーのキューポイント認識の仕組みをカスタマイズするだけだ。まあ、全部のビデオ(四百分!)をつっこんでみないとわかんないけど。
ということで、明日はビデオのコンプリートを目指す。
二十八日にバンガロールに帰り、二十九日火曜日に発つ。それまでは休みはない。二十八日にアヌーシャのお母さんがバンガロールに来るそうなので、一年ぶりに再会してどこかに飯を食いに行くのが唯一の楽しみとなった。アヌーシャのお母さんは、インドでは有名な(といっても一部のインテリ層に)ドキュメンタリー映像作家で、なかなか男らしいかっこいいおばさんだ。去年、夜遅くまで一緒にクラブで呑んだりした。発言にもユーモアが効いている(ような感じ、英語がよくわかんないからあれだけど)。
しかし、また十八時間かけてバンガロールへ夜行列車で行くのを考えるとぞっとする。外を見ても、ただココナツの森が延々続くだけだし・・・・。夜は真っ暗で何も見えないし(当たり前か)。
なかなか電話も出来ない。心配してると思う。ごめんね。なんか、ここ数日、周りがあわただしく行き交うインド人で埋め尽くされているから(彼らも何かの仕事の大詰めらしい)なかなか堂々とやれないのだ。明日はチャレンジしてみよう。
今日は東京ではネストの仕込みが始まったことだろう。ということは、もう内容はフィックスしたと言うことだね。楽しみ。東京にいないで制作にほとんど関わっていないくせに、結構今回のやつは自信があるんだよね。っていうか、何もみていないんだけど(笑)みなくてもいいんです。CMpはそういうもんなんだ。絶対おもしろくて、絶対つまんないに決まってるから(笑)だけど、希望を言えば、客を二万光年くらい突き放してほしいということ。どうにも理解できないからもしかしたら我々はネストより四千年くらい遅れているんじゃないか?くらいに思わせる、と。
頭の中真っ白にさせて、貧血にさせる。 判断不能の極致で、最後のカーテンコールでこれは芸術だということ納得させる。少なくとも俺はいまは、そういう物がみたい。 おもしろいものやきれいな物や珍しい物や汚い物はもうたくさんみたから。 インドの道でねているおじさん、砂漠の真ん中でどこから来たのかどこへ行くのか全く理解できないおじさんの頭の中が見たい。 観客にとって、ネストはそういう存在でありたい。と、ひどい注文を今回の演出をしているはちやまさんに送りました。そうなってるかどうかは見てのお楽しみ。っていうかこれだけよんだら、何だ奇をてらったことやればいいとおもってんじゃないのか?と思われるかもしれないけど、そうじゃなくて・・・・。そういう物を見て、感じて、考えて、おちこんで、もう全部いやになって、でもかんがえて、これだな、これだよ、これでいこう、どうすればいいの?こうしよう、このやり方で行こう、詰めていこう、泣きそうになりながら詰めていこう、泣いた、けんかした、行き詰まった、けなされた、それでもやる、密かに詰める、小さい脳みそで徹底的に考える、考えた、今も考えている、考えない日はない、・・・結果が、われわれのCMprocessだ。これでもくらえ、そして何でも言ってくれ。うまくいけば、世界中の人が黙るだろう。うまくいったとき、その瞬間、その時もう、ネストは、ない。俺もいない。それが今回のVanishing Pointsだ。と勝手に言わせてもらう(笑)っていうか、すでに俺はいないのに(笑)
皆さん、絶対に見に行ってやってください。で、俺が、全く物作りに興味がないことを笑ってやってください。ただし笑えるならば。この程度か、と笑ってくれてもいい、でも、それだけだ。それだけなんです。すいません、つまんない男で。つまんないと思ったら、いろいろ細部を観ておもしろいところをさがしてやってください。今回は、頭の柔らかい人でないととうてい理解できないような天才さんたちがあつまっています。細かいことやってます。盗めるネタがあったら盗んでやってください。あまりにばかばかしくて、自分がやるのもどうかなあ、みたいなことがてんこ盛りです。そうやって指をくわえている間に、俺のいないところでネストの人たちは、そういう人たちの墓の上で踊り続けるんです、目的も意味も考えず。がんばれネスト(笑)それしかやることのなかった愛すべき人たち。
ネスト新作バニシングポイント情報!三月二十五日と二十六日代官山ですよ。
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0322
今日はビールを飲んだ。昼ご飯の時に。ジャイが週末に友達といったホテルのレストランがいいというので、じゃあそこに行こうよということになり、泊まり客であるらしい西洋人のオッサンがうまそうにビールを飲んでいたので、もうしばらく呑んでいないから今日はいいよね、おれよくやってるし・・・ということでキングフィッシャーじゃなくてフォスター。165ルピーもした。でも満足。
仕事場に戻ってプログラムは詰めの作業。ジャイはビデオの編集作業、アヌーシャはテキスト書き。
絶対首を縦に振らないクリスが高圧的なメールをよこすので、取りあえず今のところのディレクターファイルを送る。今回でクリスの仕事の仕方がよくわかった。難しい男だ。
開けないというので、また送る。一時間くらいかけてまた送る。
そもそももっとつっこんで食い下がらなかった俺が悪いのだけど、どうにも変な構造に即した変なインターフェイスなので、うまくまとめるのが難しい。これでもうまくやった方だ。たぶん今夜またクリスはいろいろいってくるだろう、いや、いろいろはいってこない。ただ、俺の言うとおりにやれ、とだけ言ってくるのだ。こっちに残った人間で決めたことは何から何まで、一言、キャンノットメイクセンス。相談、ということが出来ない、じゃあこうしようか・・・と言うことがない。何度も説明してくれと言っているのだ。イラストでも描いて送ってくれ、といっているのだ。普通現場にいる人間が強いもんだが、ここまでシンプルにただ拒絶だけされていると、離れて物を言っているやつの方が強い。聞かなきゃいいというわけにもいかない。彼だってメインスタッフだ。彼の言い分だってちゃんと聞いてやらなければ、もし俺が反対に離れたところにいて、自分の意向に反した物が密かに進行していたらいやだからだ。俺は何度もファイルを送り、彼のためだけに構成図まで書き、スクリーンショットに説明まで入れ理解を求めた。でもかえってくるのはノーだけ。全部決まらないまま、問題を残したまま帰ったのはクリスなのに。
愚痴を言ってしまった。ごめんね、クリス。でも、最後までやり遂げるのは大変なことなんだよ。実際に問題に直面しているのは俺なんだ。次から次へと問題が起こってくるんだよ。たしかにフォーサイスとの仕事はよかったかもしれない。しかし何度も言うが、今回の情報構造はバラタナティヤムのマテリアルにフィットしていない。
例えば、はじめ、フォーサイスのように、バラタナティヤムの動きにラインを書き込もうとしていた。俺ははじめから、それはナンセンスだからやめた方がいい、といってきた。何度も話し合って、うまくみんなを納得させたつもりだ。フォーサイスははじめからラインと点がアイデアの基本だったのだ。だからラインが必要だった。それをあえてバラタナティヤムに適用する必要はない。そうやって確認してまとめていけば、まとまる物はまとまるのだ。
データベースとナビゲーションの関係、そもそもナビゲーションするということについて、何度も説明し、アイデアを出し、同意をえてきたつもりだ。しかし、俺が思うにクリスはフォーサイスの構造とデザインが頭にありすぎて、混乱したインターフェイスデザインを作った(俺にはそう見える)。さんざん話して、いいねそれで行こう、となって、さあフォトショップだ、という段になっるとデザイン先行で発想しそれに即して構造を作っていってしまったとしか思えない。話し合いを反映した物をドキュメントにまとめたが、そこからクリスにデザインを頼んだ段階で、すべてが棚上げになってしまったからだ。セットになっているはずの動きのシークエンスとその説明のムービーがなぜ違うセクションにはいっているのか・・・なぜ、説明セクションと、動きのシークセンスのセクションが分かれてしまっているのか・・・。ゲートウェイの設定の仕方がおかしい。と何度も言っているのだ。おかしい、おかしくない、の言い合いで、先に進まないまま一人残されてしまった。
コラボレーションということが嫌いだと公言する男だ。俺も嫌いだがそれが俺の作品作りのテーマだ、といっても、ああそうかいがんばれよ、位のもんだから、そもそもコラボレイティブじゃないんだろう。
いい加減愚痴を言うのはやめよう。個人への愚痴を、公開する日記に書いてどうする。そういう俺もよくない。日本男児としてよくない。しかし、公開する(笑)誰かにわかってもらえないと、インドでヒンズー教に入信してしまいそうだからだ。
でも問題だな。そのうち削除しよう。これはインドで行き詰まった俺の一方的な意見だ。
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0321
グレイビー、というのは汁物のことで、どうも南インド(に限らないのかもしれないけど、いったことない)では、まず主食の穀物類を選んで(例えば、チャパティにするかパラータにするかライスにするかナンにするか)それをくちゃくちゃやるためのグレイビーを選ぶ。米を選んで、間違ってグレイビーじゃない物をおかずに選んだりすると、これはグレイビーじゃないんですけど、ほんとにいいんですか?と聞いてくる。今日の夕飯は、マザーズキッチンでパラータにチキンフライ(インドからあげ)を頼んだら、グレイビーを何も言わずに持ってきた。カレー汁だ。周りのオッサンをよく観察すると、パラータだけを注文したおやじの皿に次から次へとカレー汁がかけられていく。カレー汁は、おまけなのだ。というか、「汁がなくて、どうやって米がくえんのさ」ということなのだ。じゃあ、今度はパラータだけ注文すれば、カレー汁がついてくるんじゃん。ご飯といえば、みそ汁みたいなもんか。でも、日本では米とおかずは基本的に混ぜない。箸でおかずを口に運んだあと、米を食う。しかし、インド人は決して米やナンやチャパティだけを口に運ぶことはない。米だけなんてありえないでしょ、味ないでしょ、とでも言わんばかりだ。確かに、米だけをくっても、日本の米のようにたいして風味があるわけではないから、カレー汁でも混ぜないと食えない。あ、どうでもいいことだね。今日のどうでもいい発見でした。
今週も張り切っていくぞ、と、マラソンのラストスパートにからげんきを振り絞るかのように、気持ちはついていかないが強引に体と言葉を先行させて部屋を出る。十時半。そのまま仕事場へ向かおうかと思ったが、あと一歩のところであまりの酷暑と日差しの強さに動悸がしてアンブロシアに逃げ込む。コーラとチリドッグ。
結構日本と同じようなもの食ってるんじゃん、と思われるかもしれないけど、全然違うんですよ。あえて注釈はつけないけど、今まで書いてきたよく日本でも食えるような名前の食べ物は全部「〜みたいなもの」という足がつくんだよ。あ、コーラはまさか違うだろ、と思うかもしれないけど、インド味のコカコーラなんだぞ。缶とボトルにはいってるのはさすがに同じ味だけど。ボトルは、ちょっと気が抜けてることがあるな・・・。
仕事場に着くと即座に昨日の続き。もうあと一歩だ。しかし、今までの経験では、これからが一番問題が頻発するステージだ。なのだが、問題を解決するスタッフが、俺だけだ。せめてあと一人、せめて俺と同じスキルのスタッフがいてほしい。
アヌーシャに、もう一人松尾が必要なんじゃないの?といわれたが、俺はいらない、誰か別のもっと優秀な人間がほしい、と答えた。
今日は疲れているのか、あまり集中力が長く続かず、頻繁にたばこを吸いに外へ出る。もちろん免税で買ったマルボロライトメンソールは三週間ほどまえに切れているので、こっちではウィルスマイルドメンソールというのをすっている。悪くない。しかし、あまり売っていない。よく売っているのはウィルスシルクカットという十本入りのやつで、安くてまずい。メンソールは一箱59ルピー。日本円で、150円くらい?でも、買うとき必ずワンパックといわないと、一本だけ渡される。インド人にとって、ワンパック買うというのは、とっておきの贅沢なのだな。「ウィルスメンソールワンパックアンドコカコラ」なんてちっこいたばこ屋で一本買いのおやじたちをかき分けながら買う時は、ちょっと気が引ける・・・。
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0320
今日は日曜日。この辺のインド人も、さすがにお休みのようで、いつもはものすごくうるさいのが、今日は普通にうるさい。昼頃、普通のうるささで目が覚め、いつものようにお湯のでないシャワーをがたがたいいながら浴び、外に出てみると、小さい店はおおかた休んでいる。飯を食わんといかんな、と思い、てきとうな店を探して歩くが、方向がちょっと間違っていたようで、どこまで行っても飯屋にたどり着かない。この辺は新市街なので、駅の向こうの旧市街とはちがってごみごみとした感じはなく、大きな施設や、大きな・・・なんだかよくわかんない敷地がおおく、歩いている人も少ない。それでもたまに強力にカラフルで強力な匂いで強力にてらてらしている寺があったりは、する。
ふらっ、と手ぶらで出てきてしまって、帽子もかぶっていなかったので、一キロほど歩いたところで、降参。リキシャを捕まえて、ここらで一番豪華らしい、マスコットホテルへ行ってもらう。レストランもあるだろう、もしかしたらビールだって出すかもしれない。とおもい、でかい門を通り抜け、正面玄関にリキシャを横付けさせ、相場より五ルピーくらい多めに払い、このくそ暑いのにドアマンがよく着ているような服を着たドアマンに大きなガラス扉を開けさせ、フロントへ直行。レストランはどこか?「そこであります、サー」。ビーチサンダルによれよれのTシャツでカーキ色のカーゴパンツをはいてポケットに手をつっこんだ無精ひげの外国人が、いきなりレストランはどこか案内しろ、というのは、絶対変だ。それとも変ではないのか?
一番でかい、なかなか豪華なレストランにあんないされ、しかしここは夜にならないと開かないそうで、「入り口付近の小さいレストランならあいております、サー」。よし、そこでいい、連れて行ってくれ、とボーイのあとをついていくと、レストランには先客に親子連れと若い女性の二人組。しかーし、異常に静かだ。誰も(っていうか五人だけだけど)話していない。まあいい。そういう所なんだろう、ここは。誰も話がしたくなくなるのだ。日曜日の昼下がり、豪華な装飾が傾きかけた陽の光に照らされて、時間が止まっている。世界の終わりのあとに、生き残ったのはこの五人だけ、話すことももうなくなった・・・・という感じ。
待てども待てども注文をとりに来ない。こういうときは、待つ。別に腹が減って死にそうだとか、あと五分で新宿に到着しなければいけない、というわけではないのだ。やっと注文を撮りに来たボーイは、異常に声が小さい。クラブサンドイッチとコーヒーを注文したのだが、注文をリピートする彼の言葉が、俺のいった「クラブサンドイッチとコーヒー」という言葉の長さよりも約三倍はながい。おもわず、は?と聞き返すが、なんどいってもながい。コーヒーとは、なんとなくいっているようだ。別に、何かオプションを選べといっているわけでもない。発音も聞き取りづらい。まあいいや、それ持ってきて。待つこと三十分。出てきたのはクラブサンドイッチとコーヒー。味はまあまあ、コーヒーは豆はまずいがネスカフェではない。十分で平らげ、会計をしてもらおうとするが、ボーイが来ない。こういうときは、待つ。別に、食べたあと新宿で打ち合わせがあるわけではないのだ。やっときたボーイに金を払い、つりを待つ、が、またボーイが来ない。つりの三十ルピーをチップにして帰ってしまおうかとも思ったが、べつに早く帰らないと見たいテレビを見逃すわけではないから待って、十ルピーをチップにして、でる。十分で食えるサンドイッチとコーヒーに約一時間半。
このホテルには、何人の客が泊まっているのだろう。そしてトリバンドラムに何をしに来ているのだろう。まだまだわからないことばかりだ。大人の世界は奥が深い。
リキシャで部屋に戻り、仕事の続き。ここら辺まで来ると、あとは、根気で次から次に出てくる問題をつぶしまくっているうちに、気がついたら、あれもうやることないな・・・と気がつく、というパターンを期待する。まだまだやることはいっぱいある。そしてもう帰っちゃったクリスがああでもないこうでもないと言ってくる。
でも根気がないので、今日はお休みだ。やっぱりおやすみか・・・・世界の終わりで、今日は誰とも会話をしなかった。 テレビでは、シルバーホークとか言う香港映画?岩城滉一がでてる(笑)英語が吹き替えなんだけど、岩城滉一、演技へたくそだな・・・。こうやってモンゴロイドの顔を見ていると、安心することは確かだ。でも、インド美人の彫りが深く漫画のような顔は、強力だ。日本で紹介されているボリウッド映画に出てくる演技されたお面のようなインド美人ではなく、素の顔のインド美人の表情に人間くささを読み取ったとき、この人たちは世界で一番美しい民族だ、とさえ思ってしまう。
来週末は、どこに行こう?
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0319
一日中、部屋に閉じこもって、ディレクターと格闘。そして、今、深夜っていうか、朝三時半。もうねる。
楽しみといえば、itunesとテレビのスタームービーってやつで、きょうはチャーリズエンジェル1をやってたので、ついだらだらとみてしまう。(っていうか、仕事してないじゃんか・・・・)リューシーリューかわいい。一番かわいい。チャーリズエンジェルの仲間になりたい。っていうか、チャーリーになりたい。
ということで、今日は何も書くことありません。
あ、昼飯を食いに近所の飯やにいって、またオッサンを観察。そこの飯屋は店員がまた腰巻きのオッサン、どっちかというとおじいさんたちが働いていて、なんかのシルバー再就職所みたいな感じにも見えるような、年齢層が高い所なんだけど、ほぼ英語が通じない。ミールスという例の小鉢にいろんなカレーがのってて真ん中でぐっちゃぐっちゃこねて食うやつを頼むと、店員のオッサンがカレーやらライスやらを食うそばから次から次へと継ぎ足してくれる。もういいですこれ以上は食えませんごめんなさい、といわないとおわらない。つまり、イン人のご飯はなくなったら終わりじゃなくて、おなか一杯になったら終わりなのだ。ってあたりまえか・・・・?
で、その飯やの店員は英語が出来ないので、次から次へともられていくカレーやカレーのような物やカレーに見えないけどカレーの味がするもの(つまり全部カレー味)を断るのにも、ノーサンキューさえ(なぜか?みみがきこえないのか?)つうじないから、あー、あー、あー、と、ジェスチャーでとめてもらうのだ。で、発見が一つ。今日の発見。オッサンが「もっと食べたいなら持ってくるぞ」といいたいとき、目の前にこぶしをちょうどビールをジョッキで乾杯するときのような仕草をする。はじめ、何で乾杯のしぐさをしているのかわかんなかったから、ビールが飲みたいのか?ときいているのか、うまいか?とききたいが親指を立てるのを忘れて(笑)いるのか、それとも、俺はさっきから重大なことを何か勘違い、もしくは忘れているんではないかと不安にもなった。なんてことはない、もっと食いたいか?と聞いているのだ。い・ら・な・い。もうカレーは、い・ら・な・い。
夕飯は、ちょっと「菓子」でもかって、そいつで済ませちゃおう、と思い立ち、そういうことで、近くのベーカリーへ。うわ、クロワッサンがある。お、シュークリームもある。いいじゃん、これで夕飯にしちゃおう、とシュークリームとクロワッサンとキットカットとポテトチップを購入。さらに水二本購入。
かえって、さてシュークリームだと思ってあけると、なんかシュークリームにしてはずっしりと重い。そうです。ご想像の通りですが、シュークリームに偽装したカレーまんです。やられた。もちろん、クロワッサンもクロワッサンに偽装したカレーまんだった。この国は、謝るまでカレーを腹に詰め込もうとしてつねに俺をねらっている。インド人全員が、俺の口にカレーを詰め込もうとねらっている。あいつも、あいつも、あいつも、あの角に突っ立って横目でみているオッサンも、ちらちら俺をみながらこそこそ話しているサリーを着た女たちも、写真をせがむガキも、道でねている腰巻きも、みんな俺の血液をスパイスといれ変えようとしている。
もうこうなったら、何も信じられない。もしかしたらフリトレーのポテトチップスにも、キットカットにも、たぶんカレーがはいっているのだ。
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0318
なんか・・・ほとほと疲れ果てた。昨日は深夜三時までディレクターと格闘していた。なんだろう、認識していたキューポイントが認識しなくなったり、動いていた物が動かなくなったり・・・。ただいるだけで疲れるインドで、思わずへらへらしてしまうほど錯綜していて、思わずへらへらしてしまう。
クリスはドイツからああでもないこうでもないとメールをよこし、そいつをうまく盛り込んでこなすのにも疲れ、後ろのおっちゃんにも疲れ、胃はスパイスでずだ袋のように疲れている。
とにかく来てみなければわからんと思ってきたのだが、来てみたらもっとわからん。
しかし、メールや電話があるというのは本当に心強い。遠く離れていても、いつでも連絡が取れる可能性を持っているというのは、想像以上に想像していなかったほど安心するものだ。空海なんかはよく気が狂わなかったものだと思う。はじめから狂っていたのかもしれないが・・・。
体の調子がどうもよくない。いや、別に腹をこわしている、とか、熱があるとか、そんなあからさまな病気ではないが、どうも疲れやすく、手足に力が入らない。これは、たいそう疲れていて、レッドゾーンぎりぎりということだろう。普通に、ほんとに普通に考えれば、今おれが置かれている状況は「ありえない」。日本にいれば「それは大変だろうなあ・・・っていうか、絶対やだなあ・・・」という状況だ。自分でも、よくこれを楽しむ事が出来る、と思う。(いや、ほんとに結構楽しんでいる)
出来ることなら、そして、せっかくならば、例えばありえないほど優秀な人材のそろっているところで、ハイレベルな仕事の進行のなかに身を置いて、自分のスキルアップ(笑)、チャレンジ、キャリアアップ、なんてのを目指すような経験がしてみたかったもんだが、なぜか、俺がいるのはあまりそういうことが想像しづらい環境で、自分のスキルアップになるとすれば、人に優しくなる事くらいだ。たぶん人は、いい経験したね、なんていうかもしれない。確かにいい経験だ。しかし、たぶん日本で、ビジネスの現場で望まれているような、仕事が出来る・出来ない、というような能力の問題には、全くタッチしないだろう。漱石の「彼岸過迄」に森本といういろんなおもしろい体験談を聞かせる瘋癲のような男がでてくるが、そんなもんだ。そんなもんにしかならん。
常日頃から、死ぬ前にいろんな楽しかったことを思い出しながら死ねたらいいと思っているのだが、いや、常日頃そんなことを考えてはいないが、出来れば、楽しかったことが多すぎて、にやにやしながら、どれを思い出そうかと考えあぐねているうちに、あなた何をにやにやしているんですか?ときかれて、いや、どれが一番おもしろかったか思い出そうとしていたんだけれどきりがないんだよ、というと、めのまえで妻が、それはようございましたね、と笑いながらいうのをきいて、ああこの瞬間がいままでで一番楽しい思い出になるだろう、と思って死ぬ、それが理想だ。
そこで、そのまえに、ああ、インドで仕事をしたこともあったな、あれは大変だった・・・。なんていってもいいかもしれない。そんな程度だ、インドなんて。
何かいてるんだ俺は。
今日は、朝九時に目が覚め、なんだか自然にコンピュータを開き、寝ぼけているのか、何も考えず、仕事の続きをして、気がついたら、十二時だったので、でる準備をして仕事場に向かう。で、いつものように仕事をし、九時半になったので、仕事場を出て、今日は腹も減っていないが、こんなに手足に力が入らないのに、飯を抜いたら手足に力が入らなくなる、と思って、本当はビールが飲みたいのだが、ビールが飲める飯やはないので手頃な飯屋を見つけてはいり、ベジタブルスープと、タンドーリチキンハーフ。
インド人のおじさんたちは、何でもかんでもむちゃくちゃに混ぜて食べる。ターリーという大皿に何種類かのカレーとライスが盛られて出てくるミールスという定食のようなものがあるが、たいてい、オッサンたちは全部かけて全部混ぜる。何がどうなればいいのか、さっぱり基準がわからんが、にちゃにちゃにちゃにちゃにちゃにちゃにちゃにちゃにちゃにちゃにちゃにちゃにちゃ混ぜる。で、右手の指で口に運ぶ。せっかく器が分かれて味が違うんだから、別々に食べたらいいのに・・・・。で、オッサンたちを観察していて気がついたが、たいてい、口に右手を運ぶとき、舌が、べろっとでる。実際にやってみるとわかるが、右手でにちゃにちゃした物をうまく食べようとすると、べろっと舌を出して、舌の上にのせるようにしなければいけないのだ。つまり、うまく口の中に食物を入れるのに、舌を第2の手として動員しているのだ。インド人は手で飯を口に入れるのではない。手と舌で口の中に入れている。発見した。つまんねえ発見だなあ・・・・。
しかし、疲れて心が狭くなると、何か他の生き物のような物体がジャストのタイミングで仕事をするべく口から度を超してでろっとでるのが、なんていうか、見づらい。またそもそものことをいってしまった。そういうことなんだから、そういうことなんだ。すまん。
あすは、どうしようかな、部屋で仕事しようかな、仕事場行こうかな・・・。どっちにしろ、仕事しなくちゃ間に合わない。そう、来週末、帰国直前にちゃんと、晴れやかにお休みをとって、ビーチ、はもういいな・・・。ああ、バンガロールにかえらなくちゃいけないのか、十八時間かけて。そのあと十時間くらいかけて日本に帰るのか。日本に帰るのか。日本に帰る?いや、家に、帰る。別に日本でなくてもいい。
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0316
あさ八時に一度は起きたが二度寝して、十時半に起きあがり、洗濯をしないともう靴下もパンツもない、ということに気がつき、一週間分の衣類を、ほんとはあまり近づきたくない風呂場で素っ裸で洗い、ほんとはあまり近づきたくないベランダに干し、部屋を出る。朝食はアンブロシアで、ホットドックとコーラ。一人の時は、インド料理は食わない。出来ることなら、スパイスのきいていない物を食いたい、と思うが、アンブロシアのホットドッグがまずくて、チリソースをぶっかけて食ってる自分が、おかしい。
とにかく、LINGOを書いていると、一日中それのことばかり考えるようになるので、一日中それのことを考えている。もうだいぶ理解してきたが、やはりなかなか一朝一夕にはすらすらと行かない。
相変わらず、後ろのインド人はとんちんかんなやつで、やれといったことがそのまま素直に出てきた試しがない。きょうは、作らせてみたアイコンを見せてもらったんだが、愕然とした・・・・。何かのソフトウェアのアイコンだろう、イーゼルとパレットが書いてあるアイコン(よくできている)のうえに、そのまんま大文字のNをのせただけの物が出てきた!(笑)笑い、ってわらいごとじゃない。そのまんまのせないで、ちょっと工夫してください・・・じゃないだろ!っていうか、それ、変だろ。っていうか、イーゼルとパレットが何の関係があるんだ、このソフトに。俺は、黒地に白抜きでNと書いただけのアイコンでいい、といったんだぞ。挙げ句の果てに、ネットスケープのアイコンと間違えられてクリックされたら困るじゃないか、とわけのわかんないことまで言い始め・・・。間違えるわけねえだろ。君の作ったぱくったまんまのイーゼルにNの方が、よっぽどまずいぞ、おい。いくらインド人スタッフの仲間に絶賛されようが、俺は、日本人はまずいと思ったら、まずいというんだ。それはセンスとかの問題じゃなくて、論理の問題だ。わかった、それじゃいやなんだな、じゃあ、中味で使っているこのデザインがあるから、これとうまく組み合わせた物を作れ。と、傷つけないようにいうんだけれど、つい、彼に話すときは、語気が強くなってしまう。ちょっと目を離すと、変なことをしている。なんか後ろで人だかりがしていると思ったら、昨日俺がだめ出しして、そいつは”絶対に”いらない、といった変なスタートアップ画面を仲間に見せて、どうだ、こういうふうな感じで行こうと思っている、とか、はなしてやがる。日本人は優しいのだ。あー、エクスキューズミ、クッジューメイクイットライクディス?といってもうなんど書いて見せたかわからないイラストをもう一度描いて、さらには、ディレクターでサンプルまで作ってやって・・・って、俺がやった方が早いじゃんかよ。俺、説明しながら、やっちゃったじゃないかよ・・・・。
それから、こういうのをやりたいからどうやれば出来るのか、やらなくていいから調べておいてくれ・・・と、彼もここで暇になったら、せっかく七つの子と奥さんを家に置いて出勤しているんだから、申し訳ないと思ってタスクを与えると、即答で、真面目な顔で、しかも俺はおまえよりもこの道のプロだから・・みたいな顔で、立派な口ひげの下の口から、出来ない、それはエクストラが必要だ、と答える。ほんとか?ほんとなんだな?俺が今ちょっと調べて、出来るようだったら、きみ、困るんじゃないのか?調べてから物言った方がいいんじゃないのか?とはいわないけれど、ヘルプファイルを、君がわざわざ図書館から借りてきてくれたリンゴバイブルをみて、それでもわからなかったら、いってくれ、俺が調べます。というと、なんかもぞもぞ後ろで始める。できた、というので、振り返ってみると、なんか変な解決の仕方をしていて、しかも解決していない。いや、あの、デザインは絶対に変えないでください。しかも、そんな位置に画面があったら、変でしょう・・・・。俺がいったやり方で出来ないとわかったら、いってくれ、といっただけなのに・・・・。
これは、問題が解決できる能力があるない、の話ではない。説明するのが難しいが、根底にある考え方の問題だ。インド的なのだ。たぶん。例えば、道を聞いても同じだ、五人のオッサンがしらなきゃしらないといえばいいのに、五人それぞれが違う方向を指さし、絶対に目的地にストレートにたどり着くことが出来ない。イエスの首の降り方が違うのも何か影響しているのかもしれない。挨拶もくねくね、了解した、もくねくね、保留もくねくね。こういう方法で、いろんな物事が解決されたようで解決されないようで、なんかがでっち上げられていく。いつの間にかパレットやらイーゼルが紛れ込み、いつの間にか誰かがデザインをちょっと変え、いつの間にかモノクロの画面に変なマーブルが紛れ込み、いつの間にか機能が似て非なる物に置き換えられていく。それで、インド的な混沌ができあがっていくのだ・・・。しかーし、混沌とはあらゆる可能性を包含した一つの大きなある臨界点を超えたシステムのコンセプトだ、たぶん。ここには、そうであったかもしれないけれど、たまたまそうでなかった、という可能性の影はみじんもない。そのコンセプトを認識させる意図がここにあるわけでもない。バラタナティヤムを説明するDVDにイーゼルが入り込むのは、ただのナンセンスだ。あ、そうだ、昨日別件を頼んだフラッシュのやつが今日いなかったな。あれえ、今日やれるかってきいたら、首をくねくねさせて任せておけみたいに返事をしたんだけどな・・・・。忘れてるな、っていうか、忘れたふりしてるな・・・・。参ったなあ・・・。インド人同士では、事はスムーズに進んでいるんだろうか?そうだ、つまり、俺が圧倒的に間違っていたんだ。彼には、これは無理だ。もっとインド的な物を作って、インド的世界観を世界に誇れるように、徹底してインドで行くのだ、君は。いつか、それが世界を席巻出来るようにするのが、君の使命だ。
そんな状況を処理しながらLINGOを書くのにももうへとへとにつかれて、スカイプで理絵に電話。口からもれる日本語がふるえている。うまく日本語の文章が組み立てられない。
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0315
起きると、十一時を回っていた。別に出勤時間が決まっているわけではないけど、ちょっと焦る。いつも必ず、俺のいないところでへんな事が進行するからだ。
ちょっとやけくそ気味に、途中でアンブロシアというベーカリーでコーラとピザを食べ、昼過ぎに出勤する。
思った通り、へんなことが起こっていた。ディレクターの彼。なんか、かってに変なカラフルな(立体のマーブル模様とか・・・いろんな色が使われているけど、よく見ると、一つ一つの色が”これは何色”と名前で呼ぶことが出来ない・・・)スタートアップ画面を作っていた。いらねえ、っつうの(笑)しかも、変なヘビ使いの笛の音みたいな音楽が鳴ってる・・・・。やめてくれー。傷つけないように(っていうか、たぶん俺とクリスはなんてセンスがないんだろう、と思っているだろうから、傷つくとは思えないけど)変な装飾の部分をさして「ここのところがいいから、これでアイコンでも作ってくれないか」と頼むことにする。で、しばらくしたら、(アイコンでもなんでもないばかでかい画像なんだけど)バキバキにビビッドな変なもんを作ってきたので、「いいですか、このソフトのインターフェイスデザインのどこに、こんな色使われていますか?基本的にモノクロームで、ダンサーの衣装だけに色が付いているというコンセプトなんですよ・・・・。しかも、これアイコンにつかえない・・・・。」とか、いろいろ、問題があって、あれえ、彼は何を作ろうとしているんだろう・・・・・こんなに毎回いったことと(まったく)違う物が出来てくるということは、俺の指示が悪いのか、かれが圧倒的に正しくて、俺がものすごい重大な人生の問題を見落として生きているかのどちらかだ。とにかく、どっちにしても俺が終わらせなければいけない。
細かいことから大きな事まで、複雑に絡み合って、何がなんだかわかんなくなってくる。いらいらする。英語で物が考えたい、そしてそのままシームレスに彼らと話をして問題を共有したい。
プログラムがなかなか進まなくていらいらしているところに、今日は一日中ハエとカがたかってきて、さらにいらいらの度合いは増す。ハエを追いかけ、たたきながら、思わず、「何なんだよ、このハエはよー!もー」と日本語で叫んだら、スタッフが驚いてどうした?と聞くから、ハエとカで仕事にならん・・・・といったら、あやまられた・・・・。ごめんね、また元も子もないこといっちゃったね。ここはハエとカとイヌと牛と蟻と人がみんなで一緒に生きている国なんだよね・・・・。周りのインド人をみると、ハエやかに文句を言っているやつはいない。マウスを持つ手にハエがたかっていようが、食ってる物にハエがたかっていようが、あきらめたように何もしない・・・・。
十時くらいまで粘って、パンカジで食事。アヌーシャが、今日はビールの日かそうでないか、と聞くから、今日は特にビールの日なので、ビールが飲めるところにしたい、とわがまま。パンカジは少し高めのレストランだけど、やすいいつものマザーズキッチンはビール出てこないんだよ。
パンカジで、構造について、疲れている二人にちょっとがんばってもらって、俺の考えをまとめるのを手伝ってもらう。
あ、そうだ、クイックタイムのディレクター用のキューポイント、やっぱりサウンドエディットか、ピークでつけた物しか認識しないことが再テストしてみたらわかったので、やっぱり、ものすごい手間がかかる。こまったなあ・・・・。
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0314
だから、腑に落ちないといってきたのだ・・・。どう考えても、バンガロールではじめに作った俺の構造の方が理にかなっている・・気がする。結局、決して首を縦に振らないクリスに振り回されて、やつがとっとと帰ってしまったあと、俺がつじつま合わせだ。考えてみれば、クリスが最後までインターフェイスについて決めうちするのをためらい、ああでもないこうでもないと変えていったのは、どうも素材と構造についての理解が出来ていなかったからのような気がする。そういえば、よくとんちんかんなことをいっていた。それは俺の英語力のせいで、何か聞き落としているのが原因で、とんちんかんに聞こえるんではないか、と思っていたけど、やっぱりとんちんかんだったのか。やっぱりジャイと話して考えれば考えるほど、俺のはじめの理解が全く正しかったのか。それは英語のコミュニケーションに関して絶対の自信がなかったから、俺が力説しようにも、クリスにカモ〜ン!といわれると、なんか俺がひどい間違いをしているんではないか、と腰が引けてしまったからだ。勉強になった。非常に勉強になった。このようなことに関して、たいていの場合、俺の理解は正しい。あとは、押しの強い相手とどうつきあっていくかだ。言葉でもあるし、態度でもある。
ジャイもどうも腑に落ちていないようで、松尾のやりたいように変えていってくれないか・・・・と今更頼んでくる・・・・。でも、ここまで行くともう引き返せないよ・・・。よし、もうこうなったら粘土細工だ。力業で形にしていくしかない。この時点で構造のことなんか話したくなかったなあ・・・・。LINGOをいじるので精一杯だ。
相変わらず、後ろのおっちゃんは、みてるし。複雑な変数のやりとりを書いてるときとかに限って、日本の音楽をコピーしろ、だの、俺がいったことと(まるで)違う物を作って、どうだ?と聞いてきたりする。じゃましないでくれ。本気でに〜三日部屋に閉じこもって問題解決に集中したくなる。あせる。ここでは誰もディレクターのオーサリングが出来なかった・・・・。もっと使えるディレクター使いを連れてきてくれと頼んで鳴り物入りでやってきたおとこは、自信満々に、それくらいなら一日LINGOで遊んでれば覚えられるようなことをなぜかデモンストレーションして、そのあとこなくなってしまった・・・とほほ。つまり、俺が書かなくちゃ完成しないということなのだ・・・・。「俺には無理だから、誰々さんに頼んでみよう、ギャラいくらくらいかなあ・・・」なんていう話も出来ないのだ、もう他にいないから。むちゃくちゃ焦る。といっても、ちゃんと書ける人には、屁でもないような物なのだけれど(笑)
ウィンドウズとマックのプラットホームの問題も解決しなければいけないし、たぶん、わけわかんないこといっぱい起きるに決まってるし、ああ、あとマスタリングのこともあるんだな・・・。後ろのおっちゃんに任せていいか、と聞いたら、大丈夫だといっていたけど、絶対大丈夫じゃない。よしそれなら任せた、君を信じる、といえるのは、日本でだけだ・・・・。
はあ、なんか、コヴァーラムで昼寝をしてから、のどがいがいがする。風邪を引いたのかな。気をつけなくちゃ。ねるときはねよう。
今日も電話する機会を逃した。はあ・・・・。
そういえば、朝、シーディットの偉い人だというおじさんがわざわざ俺に会いにやってきて、なんと日本語で話しかけられた。しかも結構うまい。ちょっともごもごしてるけど、全然普通に話が出来る(笑)こっちで日本語も教えているらしい。へんなの。ジャパンファンデーションと仕事をしたりしているらしい。「だるまさんはケララの出身なんですよ、ちょうど昨日、新聞に日本とだるまさんの話を書いたんですよ・・・」なんていってた。
どうでもいいや、もうねよう。ああ、BDもやらなくちゃいけないんだ・・・・。
うわ、もう三月十五日だ。早く帰りたい。けど、もっと時間がほしい・・・。
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0313
週末は、キチンと休みを取ろうと思って、土曜の朝九時に起き、朝飯も食わず、リキシャでイーストフォートまで行き、なんかおもしろいものないかと門前町をうろつく物の、たいした収穫無し。ねずみ色の異様な寺を発見。極彩色の神様に飾られて不気味な色彩感覚。その中にはいることは出来ないのだけれど、周りには、たくさんのココナツ売りがいて、しかもここで売っているのは、周りの繊維層を大部分取り除いた、野球ボールのようなもの。寺の中からしきりにぱーんぱーんという音が聞こえ、何事だろうと思ってのぞくと、ヒンズー教徒たちがココナツボール片手に先を争って、風呂桶のような賽銭箱のような大きさの穴に、思いっきりココナツを投げつける。ココナツはぱーんぱーんと割れて、ココナツ水が飛び散る。
いいよ、わかった。そういうことなんだろう。ここの寺は、ココナツの球を投げつけて割る寺なのだ。そういうことなのだ。いろいろゆえんはあるのだろうが、ここはココナツをぱーんぱーんとわる寺なのだ。
ココナツをぱーんぱーんとわる寺にも飽きて、はらもへったし、ココナツをぱーんぱーんとわる寺の周りにろくな飯屋もなさそうなので、バスでコヴァーラムビーチへ向かう。
コヴァーラムについて、トリバンドラムの町中ではなかなかゲットできないマルボロを買い、がら空きのレストランをさけ、手頃なレストランに入り、昼からキングフィッシャーと、ペペロンチーノ。ペペロンチーノはやたら出てくるのが早いと思ったら、完全にのびきってシマダ屋のうどんみたいになってる。
腹ごなしに、ちょっとコヴァーラムの土産物屋の裏道を探索してみる。つぶれかかったホテルや、どうなっちゃってるのかわかんない廃墟や、こんな所にも店出してんのかよ的な雑貨屋。を眺めながら、手頃で、きれいそうなホテルを見つけてチェックイン。ダブル800Rs。何軒も回ってホテル探しするのはいやなので、一件目できめる。ほんとは二千くらい払って、マハラジャ気分にでも浸らないとやりきれない、と思ったんだけど、けちな正確で、つい中級を選んでしまう。
荷物(といったって、換えのTシャツとパンツ)をおいて、またビールを飲みながらビーチを眺めに。
なーんもすることない、ので、ついプログラムのことや構成のことや進行のことを考えてしまい、挙げ句の果てに店員にペンまで借りてナプキンにメモ書きまでし始める。漫画のようだ(笑)。ひとりだから、なにもすることないと、ほんとに何もすることがない。
五時くらいにいい加減酔っぱらって、暑いし、日差しも強いので、ホテルでひるね。で、サンセットの六時半ころちょうどいいタイミングで起きて、レストランで、またもやビール。そうか、海に沈むサンセットっていうのは、こっち側でしか見られないんだね。太陽にほえろ!の太陽のような太陽が、心なしか少し弓なりになった水平線に、漫画でよく見るような感じに沈んでいく。
日本人発見。一人旅の若者か、と思ったら、なんどか仲間らしきバックパッカーと一緒にいるのを見かける。やっぱりコヴァーラムにはいた(笑)
四時間ほど、一人でただビール呑んだり、飯を食ったり、つまみ食ったりしていたら、夜も更けてきて、たいしたおもしろいこと(偶然知り合いにばったりあったり・・・・なんありえない)もないので、部屋に帰ってシャワー浴びて、ねる。十一時くらい。
朝、十時くらいまで寝て、チェックアウトとして、レストランで朝飯を食っていると、来た来た、昨日の日本人だ上半身はだかだ(笑)笑いかけてくるので、笑い返すと、うん、なんか、そこには日本人同士にはわかる確認コードみたいなのがあるんだな。それは、どこにいてもそうで、海外でおもわぬところで日本人に会うと、いっしゅんそこにある隠されたコードにぞくっとする。
もてぎ君というかれは、インド料理を勉強しながら旅をしているそうで、身体の事にもくわしく、動体力、とか野口体操、とか(笑)昔よく聞いたようなことについてとか、フォーサイスがどうの、とか、安藤ようこさんがどうの、とか、そんな話まで、こんなところですることになる(笑)
しばらくすると、昨日太鼓を抱えていた麦わら帽の若そうな青年がやってきて、一緒に飯を食う。池谷君という彼は、歯科医師の勉強をしているそうで、二十四。北インドから最南端までやってきて、あと十日、こっちにいるという。
もう、バックパックせおって、ただあてもなくぶらつく境遇ではなくなったいま、なんかすごく、懐かしい感じがする。十九の時、中国を旅したことがある。バックパッカーの先輩(笑)たちが、すごくタフに見えた。今考えれば、何をしようとしていたのか彼ら自身わからなかっただろうひとたちとドミトリーを渡り歩いて、こうやっていろいろな物をみていれば、そのうち答えが見つかるんじゃないか、と思っていた。でもどこを探したって、答えは見つからない。この年になって、問いも答えもなく、この人生そのものが、問いでもあり答えでもある、と考えるようになった。だから、もうどこにもさがしにいかない。ここにもそこにも、答えはある。これが答えだ。今、この一瞬一瞬が答えなんだな、もし問いをたてるとすれば。
一時ころ、彼らと東京で再会を約束して、別れ、気になって仕方のないプログラムの問題を解決すべく、トリバンドラムへ。やっぱり、ビーチで何もせず一人でのんびりするなんていうのは、俺には無理らしい(笑)
もうかれこれ、ホテルに閉じこもって十時間ほどぶっ続けで仕事をしていた。クリスの担当だった部分で残していった物を検証して、考えれば考えるほどどうにもこうにも破綻しているので、やっぱり、これは・・・・・
うん、ここは、もう一度立て直すところからだな・・・・。
カラリパヤットの分まで、たどり着くのか・・・・。
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0311
クリスが帰ってしまった・・・・。寂しい・・・・(笑)ひとりだなあ・・・とおもうと、なんて説明すればいいんだろう。おしっこちびりそうになる。いや、それはびびって、ってことじゃなくて、なんか、一人で納戸の奥の方に閉じこもって、懐かしいにおいをかぎながら本を読んでいるときのような気分。なんだそれ。少し、ほっとしてるんだろうな。でも、ほっとしてる、っていうだけじゃ説明つかないんだよな。こういうとき、詩人だったら、ちゃんと言葉に出来るんだろうけどなあ。
一人もいいもんだ、とおもう。毎日、職場でもホテルでもずっと顔を合わせていた、というか、夫婦のように一緒にいたもんだから、まあ、お互いに気を遣っていたし、それはそれで、なかなか疲れる。
八時に起きて、例の朝食レストランへ。一緒にいると、飯の時間とかもあわせるもんだから、別に食いたくなくても、ちゃんと食うことになる。もうそんな朝食も今日で終わりだ。今日はジャイとアヌーシャも待ち合わせて、一緒に朝食。
髪の毛がぱさついて困るという悩みを持ったクリスがレストランの近くのアーユルベーダの薬局で、変なオイルを調合してもらう。変な匂い。
みんなでいつもの道をいつものように歩いて出勤。クリスは引き継ぎの準備を済ませ、一時に記念撮影をして、バンガロールへ。深夜二時の飛行機をバンガロールで買い物なんかをしながら待つらしい。深夜二時・・・・。どうすんだろ、それまで(笑)
残された俺は、もう他のこと考えたくないし、しっかりクリスの分まで把握していかなければいけないので、自分ペースに持って行くべく、作業作業作業。クリスが残していったプログラムと俺のプログラムを合わせて自分で全部コントロールできるようにする。クリスのやつを見たら、そんなにたいしたことをやっているわけでもなく、バグも多いので、もうこうなったらやけくそで大改造。フルダイナミックで生成する構造にチャレンジ。ヘルプを見ながら、歩くスピードで、着実に問題を解決していく、が、道のりはまだ遠い。
インド人のディレクター要員に、いろいろタスクを与えてやってもらおうとするのだけれど、あまりうまくいかないみたいだし、俺とクリスの写真をコピーしてくれ、だの、日本の音楽のmp3をコピーしてくれだの、ヘルプ見れば書いてあることをいちいち聞いてくるので、なかなか集中できない。かとおもうと、俺の作業を一時間くらい(!)ただじっと眺めてるし・・・・とほほ・・・・。マウスを持つ手に彼の鼻息はかかるし、時々、変な言葉でぶつぶつ言うし・・・・。困ったなあ、自分の仕事に戻ってくれないかなあ・・・・とおもっても、人の作業をじっと横で眺めるのは、インド人にはよくあることらしく(前も書いたが、一台のコンピュータの前には、必ず、二人か三人座っている)彼としては、おかしな行為をしているわけではないのだ・・・・。
夕飯は、ケララハウスでチキン何とか(カレー)、フィッシュモリー(カレー)、ベジタブル何とか(カレー)、と、ケララめいぶつのなんだあれの名前は、パラータだっけか、ナンみたいなやつ・・・そんなの、と、今日は呑みたい気分だったので、店員にビールを買ってこさせ、一人でクリスに乾杯。ありがとう。次は、来年の・・・・インド?日本?
明日は、どうしよう。ジャイとアヌーシャは終わらないから仕事するっていってたけど、俺は行きたくないな(笑)やすみだ。ビーチ行くか・・・・やっぱり。一人でビーチか・・・。そうだ、おばさんの葬式だ。ビーチで葬式だ。
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0310
夕食は昨日と同じ、マザーズキッチンというこきたない掘っ立て小屋みたいな食堂。たぶん、今までの人生の中で、一番うまいチキンカレーかもしれない。あのカレーを日本で出したら、テレビで紹介されるような話題の店になるな(笑)
クリスの最後の夜なので、どこに行きたいと聞いたら、マザーズキッチンに行きたいというので、ビールを我慢してそこに決める。ビールで乾杯したかったけど、もちろんおいていないので、ジューサーで荒く砕いただけのパイナップルジュースで乾杯。
朝飯も、いつものところで、プレーンドーサとコーヒー。いつもと同じように、インド人従業員(わざわざインド人従業員、なんて書かなくていいな、インド人しかいないから・・・)に囲まれ、食っているのを見つめられ、写真をせがまれ、わけわかんないことを話しかけられ、にこにこしながら、朝の激辛の儀式。インドで、いつものように、っていうのが、全く自分でも何のことかよくわかりません・・・・。インドで「いつも」の生活をしてると、気が狂いそうになる。
結局、やっぱり、俺がプログラムをすることにした。明日からクリスもいないし、新しくつれてこいといってつれてきたやつも、あんまり詳しくないようだし、英語もあんまり話せないし、元からいるやつは何いってるかわかんないし、肝の所は握っておかないと、ハンドル出来なくなりそうなので。
久しぶりに、LINGOを書いていると、だんだんドライブがかかってきて、周りのインド人が気にならなくなり、自分がどこにいるかわからなくなる。我に返ると、インドにいる自分を発見して、ため息が出る。
どこか、気持ちのいいところに引きこもって、五日間ぐらい没入したい。それもいいな・・・。コヴァーラムのきれいなホテルに泊まって・・・・。いいな、ベストだな。進行も管理しなくちゃいけないから、それは無理だけど・・・。
しかし、LINGOを書いていたのはもうずいぶん前なので、それからかなりディレクターも変わってしまって、何がなんだかわからない。思い出すのも大変なのに、新しいことも勉強しなければいけない・・・・。気合いだな・・・・。調子に乗ってきたところで、クリスがいなくなるのは、困ったな。やることがふえるばかりではなく、気分的にもなんか、感傷的になってしまって、仕事が手につかなくなってしまいそうだ(笑)
明日は、昼にはもうクリスがでてしまうから、午後、一人残されたときの気分が心配だ・・・。力が抜けてしまうかもしれない。太平洋の真ん中でひとりぼっちで浮かんでいるような気分になってしまうかもしれない。それを乗り越えるためにも、楽しみが必要だ。インドに残るモチベーションが必要だ。ひとつは、プログラミング、もう一つは・・・・ビーチか?週末をどうやって過ごすか考えていなかったので、計画を立てよう。コヴァーラムにでもいって、きれいなホテルに泊まって、一日海を眺めていようか・・・。それとも、もっとアグレッシブに、しらない街を歩いてみようか。やだな、出来ることなら、動きたくない。ビーチに行って、アーユルベーダマッサージとかいうのをやってもらってこようかな・・・・。ああ、どれもわくわくしないな・・・・。インドに残るモチベーションたり得ないな。
夜、部屋に帰って、テレビでアメリカのカスタムバイクバカのドキュメンタリーをクリスと見て、バカだなあこいつら、と大笑いしたあと、なんか人生について二人で語ってしまった・・・・(笑)クリスはいろいろなことで人生の転機らしく、ドイツに帰ったら、解決すべき問題が山積みらしい。がんばれ、クリス。俺もがんばる。
クリスのいなくなる明日から、少し生活が変わるだろう。それをかんがえると、武者震い(笑)少しおしっこ漏れそう。砂漠の真ん中で、なぜか、重い責任を背負って孤軍奮闘する、普通の日本人(笑)責任?いや、これは、インドテーマパークで繰り広げられる、アトラクションゲームだ。あまりシリアスにとってはいけない。でも、集中してやらないと、すぐゲームオーバーだ。長く楽しむためには、慎重に、着実に物事を進めなければいけない。イベントの少ない広場でベンチに座っていては、ミッキーマウスは会いに来てくれないのだ。
何かいてるんだ、俺は。気が狂ってきた。
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0309
叔母が亡くなった。乳ガンが再発していたらしい。半年ほど前の弟の結婚式では元気な姿を見せていたのに。
茨城大学の近くでそろばん塾をやっていた。よく働く人だった。眉間に大きなほくろがあった。大きな声で笑うと、金歯が見えた。子供のころから、この人だけには嘘がつけない、と思っていた。目のおくに知性を感じた。なんていうか、近代的自我をしっかり持った人であるような気がした。
おばちゃん、今、おれはインドにいますよ、涅槃に近いですよ、たぶん水戸よりも(笑)。インドはわけがわかんないところです。いろいろ、ありがとう。また会いたかったです。ご飯、いつもおいしかったですよ。渡里の台所のにおいが好きだったな。さようなら。
いつもの、ホテルと書かれているが部屋がないレストランで朝飯にイドリー。早めに出勤。インド人のディレクタープログラマーが、あまりリンゴがわからないらしいので、クリスと基本的な機能に関するスクリプトのプロトタイプ作り。ジャイとアヌーシャの作業のコンサルティング。
ムービーの加工で一つ困ったことを発見。ファイナルカットで色味を調整したりデインターレースしディレクターで使うキューポイントを埋め込んで、一気にバッチ書き出しだな・・・・と思ったら、クイックタイムのバッチ書き出しに、マーカーをつけて出力する(つまりテキストトラック)オプションがない!普通の書き出しには、ちゃんとマーカーオプションがついているのに・・・。修正、編集したクリップやシークエンスをバッチで書き出すと、キューポイントが失われてしまう。ショック。ばかげてる。ステューピド。つまり、一つずつ手で書き出しを選んで、書き出しては待ち、書き出しては待ち・・・・を繰り返すのか・・・・。合計四百時間!いや、キューポイントが必要なのはもう少し少ないな・・・はんぶんくらい?二百?キューポイントがいらないムービーはバッチすればいいわけだから・・・まあ、いい。よくないよなあ。もっといい方法ないかなあ・・・。書き出しちゃってから、ピークでマーカー埋め込んで、一つずつ保存・・・・同じ手間がかかるなあ・・・それならファイナルカットの中だけで済ませた方がスマートだなあ・・・・
まあ、ダイナミックな構造を選んだおかげで、全部の素材が必ずしも今そろっていなければいけないわけではないのだ・・・。あとでゆっくり誰かがちまちま書き出せばいい。
クリスは明後日発つ。そのあとは俺ががんばらなくちゃいけないんだな・・・・。ああ、日本語でコミュニケートできる同僚がほしい。よし、明日、がんばろう。ちょっと足を使おう、動き回って、俺のペースに持って行こう。前のめりくらいじゃないと、インド式にはついて行けない。 インド式を受け入れないと、気が狂う。
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0308
今日は、シヴァラーティー。シヴァラーティーというのは、シヴァのお祭りだそうです。で、インドの祝日で、お休みの日。でも、我々は通常通り営業。
シヴァをまつる寺では、夜通しプージャ?っていうのかなんていうのかお祈りの儀式をしているはず。去年は、ドイツ人(去年もドイツ人たちと一緒だったか・・・)の一行と一緒にバンガロールで住宅街の中にある小さな寺へ参って、中に入れてもらってお祈りに参加した。
でも、ここケララでは、ヒンズー以外ははいることが許されない寺が多く、しかも近所で見かける寺は、中では何か行われているらしいが、戸を閉ざしていて様子をうかがうことは出来ない。昼間は、門前にでかいスピーカーを出して、爆音でシヴァをたたえる祈りの歌が流れていたが、夜になるとうってかわって静かだ。
ということで、部外者のクリスと俺は、あきらめて部屋に帰り、テレビでスパイクリーのガール6をみる。
今日も一日、映像の加工と、キューポイントの設定、等々、についてのプロセス作り、テンプレート作り。それように今ジャイたちがやってる作業の手順をアジャスト。大体、手順的にはこれでバッチにかけられるんじゃないか、という感じのところまで。DVDとはいえ、四百分間におよぶ映像を詰め込むんだからうまく準備しないと大変だ。
クリスは、ついに自分でダイナミックなメニュー生成のスクリプトのひな形を作り始めた。俺もクリスも、もうかれこれ五〜六年LINGOをいじっていないので、あれはどうやればいいんだっけ?確かああいうやり方があったんじゃない?みたいな感じでぶつぶつ言いながら苦労する。しかし、まだクリスの方が同じようなことをフォーサイスのやつで同じ事をやったのでくわしい。任せた。でも、なんかLINGOプログラミングの楽しみを思い出して、もう一度がつんと取り組んでみたくなった。クリスが時々、あー!とかオーマイガッとか叫んでいるのを見ると、楽しそうで・・・・。いまさらLINGOじゃないんだけど・・・。
よし、MAXをもっとちゃんと一から勉強してみよう、と思う。でもねえ、アイデアがないんだよね(笑)あってもそれを実現するモチベーションもないんだよね・・・、出来るんだろうなあ、でもそれやってどういう意味があるのか・・・とか考えちゃう、理由とコンテクストがないと手を動かさないから・・・。つまり、それそのものを純粋に楽しめないタイプなんだよな。 でも、ネストの作品で没入するのも悪くなかったかな・・・。ネストは何で毎年俺がインドにいるときに公演をぶつけてくるんだろう(笑)まあ、戦略的にはそれでいいんだけどね。でも見てみたい・・・・。
世の中には、努力が出来る人としないひととしたくても出来ない人がいる。努力が出来る人は、どんなことでも真っ正面からぶつかって、それを乗り越えるしか解決の道がない、と信じることが出来る人だ。しないひとは、問題があってもあきらめてその前で引き返す人。ところが、努力がしたくても出来ない人、というのもいて、問題にぶつかるとなんだかんだ理屈をこねてそれを迂回する道をみつけ、何とかその場をしのぐ事が出来てしまうので、結局平坦な道をだらだらと進んでいくタイプ。真剣に物事を解決する体力が身に付かないまま、凡庸な一生を送るのだ。そういうのは中途半端に賢いやつに多い。という話を、ある知人から聞いてなるほどと思ったことがある。まさにそれは俺のことだ。まあ、どうにかなるだろ、いちいち真剣にやろう、真っ向から勝負していこう(笑)とインドにいても、普通にたわいのないことを考えるのである。
インドの話でも何でもないな・・・。
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0307
毎日、外食なわけだ。一応、部屋にキッチン、というか、台所がついているし、スパイスや穀物をすりつぶすためだろう、石のまな板と石のとちめんぼうというのか、インドの家庭では必須なんだろうけど、そんなもんもついている。もちろん、そんな台所は使う気になれない。何年も使っていないキャンプ場の鍋と飯盒みたい、な感じだ。それに、毎日、日本の物より一センチはでかいゴキブリという虫に挨拶している。初めのうちはいてもたってもいられず頭の中で対策も考えてみたが、今はもう、なんか、インド的あきらめで無視だ・・・。
というわけで、何度もいうように毎食外食なのだけれど、朝は日本だったら絶対に営業停止になるような食堂で15Rsぐらいですむんだけど、昼にはそれが70Rsになり、夜は確実に150Rs〜200Rsはとんでいく。こんな事を書くのは、金がないとか、もったいない・・・なんていうけちなことからではなくて、その差がショッキングだからだ(笑)日本人の俺やドイツ人のクリスにとっては、正直、安い。150Rs(400円弱)で、日本のインド料理屋でこれだけ頼んだらひとり三千円だな(もっとだな五千円だな)、というような料理が並ぶ。10Rsでたらふく食わせる食堂もあれば、1Rsをせがむおばさんや子供もいるし、まいにち日本人のような基準で金勘定をしているインド人もいる。ジャイとかアヌーシャとか(笑)もちろん、彼らの金のことはどうなっているのかわからないけれど。去年、ちょっと高いレストランでアヌーシャに、ちょっと高くないか?ときいたら、そんなでもないんじゃない?ユーロに換算するとこのくらいよと返された。インドにすんでるんじゃないのか、おまえは?(笑)それに比べて、クリスはけちだ。細かい勘定にもキチンとしている、というのではなく、せこい。説明するためのたとえが見つからないが、せこさがにじみ出ている(笑)まあ、俺も人のこといえた口じゃないけど・・・・。でも、せこいんだよなあ、なんか(笑)
朝、ちょっと濃密なミーティングをしたおかげで、なんかもうどうでもよくなって、あまり英語が話したくなく、話したくないだけではなく、日本語の独り言が自然に口から漏れるので、ちょっと引きこもりがちに、裏でクリスとインド人スタッフがああでもないこうでもないといっているのにも参加せず、黙々と映像加工のテストをする。細かく数字を刻みながら圧縮や色補正、音声加工などのセッティングをテストする。というか、ちょっと逃げ込む。今日は、お願いだから誰も話しかけないでくれ・・・・。と思っても、そうはいかない。
クリスとプログラム担当の彼はどうもクイックタイムのキューポイントのこと、ダイナミックにメニューを生成する方向でやりたいというはじめのアイデアに立ち戻ってその説明をプログラムの彼に話していたらしい。でも、彼は出来ないらしい・・・・(笑)リストだろ・・・・。それなら俺が一日勉強すれば思い出すよ・・・二〜三日あれば出来るまかせとけ、とは、戦略的にけして口に出さず、クリスがいらだちながら他のプログラマーにやってもらうしかない、他のやつつれてこれないのか・・・というのに、同意し、そうだねえ・・・・、それがいいかもねえ・・・・なんていっている。これでいいのか、日本男児(笑)いいよね?
どうも、明日は祭日らしい。なんの・・・?ことしの三月は、まず、シヴァラーティがあって、ホーリーがある、ときいているけど、南インドでホーリーはどうなんだろう?明日はシヴァラーティーなのか?え、明日祭日ということは、今日の夜中なのか?明日なのか?
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0306
もうすっかり体調は回復した。あと三週間。もうあんな苦しいのはごめんだ・・・。気をつけよう。
あいかわらず、インド料理を見るとうんざりする。
しかし、明日からまた選択肢のない食生活が始まる。
九時半頃、ヴァルカラからトリバンドラムへ帰ってきた。
五日のあさ、休みなのでゆっくり十一時くらいまで寝て、朝飯も食わず起きてすぐに着替えのTシャツとパンツとタオルをもって、駅の前のバスステーションへ。ヴァルカラへのバスを待っていると、身なりのいい(といっても、ちょっときれいなシャツにきれいなズボンの)おっさんが話しかけてきて、自分もヴァルカラに行くんだという。話を聞いているうちに、名刺を出してきて、ヴァルカラに新しくできたリゾートホテルで働いているという。来た(笑)このおっさんはどう見ても客引きだ。バスを待っていてもなかなか時刻どうりに来ないので、汽車で行くことを勧められる。ここから1時間程度だという。クリスと一緒に、ああそうですか、と素直に汽車に乗り、四十分ほどでヴァルカラ到着。俺はそこでおっさんとバイバイする方がいいと思ったんだけど、人のいいクリスはおっさんに勧められるまま、そのリゾートホテルを一度みてみてもいい、なんていい始め、まあ、しつこい場合は俺がぶち切れて始末する心構えをしてクリスに着いていく。おっさんのいうには、シーディットのスタッフに勧められたガバメントゲストハウスっていうのは政府のVIPがとまる五つ星クラスのところで、部屋も取れるかわかんないし、異常に高いからよせ、と・・・。ばかな話だ、このおっさんいい加減なこといいやがって、と俺は思うものクリスはどうもおっさんをしんじているようだ。忠告しても聞かない。ホテルに着くと、ココナツまで出してきて、執拗なプレゼン。支配人らしき人まで出てきて、クリスはそこに決めてもいいかな、なんて雰囲気になってきた。とにかくガバメントゲストハウスに行ってみようよ、というはなしをうまく切り出し、待たせていたリキシャで退散。
どこが五つ星だ(笑)ツインがたった二百五十ルピー。おっさんのホテルの6分の1だ。清潔で雰囲気も悪くない。ビーチにも近く、最高の立地条件。
インド人のセールスは、しつこいだけでなくて、嘘をつくから、いやだ。
早速タオル片手にビーチへ向かう。
ヴァルカラは、俺の持ってるガイドブックにも、クリスの持ってるガイドブックにも載っていない。断崖絶壁の下に広がる遠浅の、白い砂の美しいビーチだった。がけの上には、観光客相手のレストランや土産物屋が集まる一種異様な雰囲気の村が展開している。どことなく、嘘くさい。ディカプリオの映画にビーチというのがあったが、それを思い出す。元ヒッピーの夫婦、親子、ビーチからビーチを渡り歩く背中にディジェリドゥーを背負ったネオヒッピー、インド人のツアーガイドにべったりの金持ちのおやじやおばさん。七十年代にここに流れ着いて居座ってしまったどう見ても気の狂っているとしか思えない元ヒッピーだったであろうおやじが薄暗い店の奥から、俺の目を見てリキシャサブマリンヘリコプタエアプレイン・・・・といいながらあきらめたような笑みを漏らす・・・・。リアルイタリアン、ファンキー、アート、等とかかれたレストランでは、ドラムンベースやトランス、あるいはノラジョーンズやボブマーリー・・・。
ここにいると、病気になる・・・・。と、からだがいっている。もちろん、日本人などどこにもいない。たまに金持ちのインド人を見かけるが、ほとんどが、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スカンジナビアの方から来た白人だ。中でもなぜかドイツ人が多い、気がする。ここにいると、俺、日本人、は病気になる・・・・。とおもう。なぜか・・・・。
ヴァルカラでは一日中ビーチとがけの上のレストランの往復。隠すように新聞紙に包まれていたりお茶のポットに入れ替えてあったりテーブルの上に置かないで下に隠して出されるビールを飲み、ビーチで寝転がって、たまに水遊びをして。
ゲストハウスに帰り即寝ようとするが、深夜、何度も目を覚ます。ビーチの方から、爆音で妙なインド音楽が鳴り続ける、朝まで。インドには、騒音、という概念がないようだ。人の迷惑にならないように・・・ということは、教育されないのだろうか。
で、六日日曜も朝からビーチ。ゲストハウスをチェックアウトするときに、ドイツ人のバックパッカー二人に声をかけられ、クリスがドイツ語でなんだか早口で楽しそうにおしゃべりする。うらやましい。俺も、日本人と、話したい。日本人だったらわかるよね、みたいな話がしたい(笑)安室奈美恵の話でも、ドランクドラゴンの話でも何でもいい。
とおもっていたら、日本人らしき一人旅の女性を発見。うん、どうみてもあれは日本人の態度と表情だ。服装は、インド旅行仕様に少しだけインドテイストがはいっているが、日本人の着こなしのセンス。水着にも着替えず、ただ、ビーチをぶらぶらして、ふむふむ、なかなかいい所じゃない・・・みたいな感じ。クリスが、ここにいる観光客のうちの0.01パーセントの日本人にせっかくであったんだぞこえかけろよ、というがやめておいた。彼女には俺は日本人に見えていたのだろうか。だろうな。俺は、典型的な日本人の服装と態度をしているんだから。典型的・・・・、というのとはちょっと違うな。なんかあるんだよ、コードが。共同体の持つ、コードがにじみ出るんだね。
ビールを飲みながらサンセットを見届けたあと、駅へ向かい、鈍行のトリバンドラム行きへ。行きと違い、1時間半ほどかかって到着。
海水でべたべたになった服を洗濯して、クリスとテレビでアメリカンパイ2をみる。
クリスはどうも腹が痛くなったらしい。俺と同じあたり。なんか変なもの食ったかなあ・・・・と、ぶつぶつ言ってトイレへ。あらら、大丈夫かな・・・。
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0304
今日は、四日だから、もうかれこれ、二十日間ほど、インドというところにいる。毎朝、あれ、俺まだインドにいるのか・・・出口無し・・・とおもう。いや、ずっと英語だから、ノーウェイアウト、と思う。
これは去年もインド日記で書いたような気がするけど、英語がうまいように話せないので、初めのうちは頭の中で日本語と英語が混じり合って、翻訳したりなんかしながら、英語を話すのだけれど、そのうち、英語で考えるようになってきて、でも、その英語が幼児並みなので幼児のようなことしかいえなくなってくる(笑)山を越えると、口の周りがよくなるので、幼児並みの語彙で、たくさん言葉が口をついてくるので、時間をかければ何とか年相応の話が出来るようになってくる。疲れてくると、あまり自分に関係のなさそうな話を聞き取るのをやめ始め、聞き取るのをやめている時間は、頭の中に、いかなる言語も存在しなくなり、放心している。ここはまだインドだし、みんな英語が第一言語ではないからなんとなくみんなイギリス英語でクリアに話すから聞き取りやすいが、アメリカなんか行ったら、話にならないだろう・・・。
しかし、ディレクターのプログラマーの彼は、ころんころんしたインドなまりでしかも声が小さくスピードが速いので、何いってるかわかんない・・・・。まあいいや・・・。
今日は、映像の圧縮フォーマットに関するテストと、複雑な情報構造を具体的にどうリンクづけていくか、プログラムの構造はどうするか、というようなこと。クリスとは、はじめに、メニューからリンクから映像からすべてを一画面にダイナミックに表現する手法を考えていたが、プログラマーの彼がオブジェクティブなやりかたにあまりぴんとこないようで、手数はかかるがスタティックな構造で力業で勝負することにした。複雑な構造を表現する複雑なスクリプトを書きこなすのが、クリスも俺ももうずいぶん昔にLINGOを書くのをやめたのでこの時間内では無理だと判断した。それならば、自分たちの仕事を減らすためにも、彼に出来る方法を採択することがベストな方法だと考えたからだ。構造的にはうまい仕組みを考えて、スクリプトを組むことさえ出来れば、気持ちのいい物になったろうけれど。
なぜか今日は、よくインド人に写真を撮ってくれ、とせがまれることが多かった。飯を食いに行けば、店員たちやなんだかしらない腰巻きのおじさんに囲まれて、フォトフォトフォト・・・とせがまれる。掘っ立て小屋のような店の青年にもフォトフォトフォト・・・。店先で(一日中)たむろしている青年たちに行きと帰りにフォトフォトフォト。しかし、写真とってもらって、どうするんだろう(笑)何の意味があるんだろう?どうすればいいんだ、君たちの写真を撮って・・・撮られるだけで、いいのか?・・・かんがえるとわけわからんので、考えるのをやめることにする。ずいぶんいろんな事の理由を考えるのをやめてきたような気がするなあ・・・(笑)
フェムケがオランダに帰るという事で、今日は事務所のみんなでさよならパーティーをしているらしい。ので、スカイプで電話。やっぱり携帯へかけると、ちょっと聞き取りづらい・・・・でもフェムケの声が聞けてよかった。彼女には俺の声は聞こえていたのだろうか(笑)新しいイーサケーブルを買ってこさせたので、スピードは56kモデム並みだが調子がいい。スカイプで理絵がオンラインになっていたので、十分ほど話す。ネコのロイとも話す。声が聞けてよかった。声を聞くことで、ちゃんとそこにいきているんだな、と感じることが出来るんだね。
夕食は目の前のホテルの屋上のレストランでビーフ。ステーキって書いてあったんだけど、どうも、どす黒いカレーで煮てあるような気がする。そうに違いない。だって見た目がビーフカレーなんだもん。これは、日本ではビーフカレーっていって、ステーキとは絶対いわない。
ケララでは酒屋がないし、入るレストランのいうレストランには酒がおいていない。もちろん、今日行ったレストランにも酒はおいていない。今日もビールはお預けだ。せっかく、腹の調子もよくなってきたのに・・・・。
しかーし!明日と明後日は休みだ。スタッフに教えてもらった、コヴァーラムよりもきれいで、観光客にしられていないからすごくいいところだ、というビーチにいく予定。そこに一泊してこよう。ん?観光客にしられていない、ってことは、観光客向けの施設がないって事だから、ビールを飲めるところもないのか?
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0303
何も書くことはなくなってきた。毎日同じで(笑)
去年はこんなにインド料理にうんざりしていただろうか。もううんざりだ・・・・。とにかくスパイスのきいていないものがくいたい。ここではスパイスのきいていない物を探すのが、非常に、想像を超えて、難しい。もう、何を食っても同じ味に感じる。何でもかんでもスパイスをがっつりきかせて、食えない物も食える物にしてしまっているんじゃないか、と思ってしまう。飯屋で、隣の腰巻きのオヤジが左手をテーブルの下にかくし、よそ見しながら右手でぐっちゃぐっちゃに飯をこね回しているのを見ると恨めしい。ちょっと疲れているのか、心が狭くなってきて、行儀が悪いから手で飯をこねるな!と、元も子もないことをいいたくなる。
ということで、食う物が限られる・・・。朝は仕方がないから、自動的に、マサラドーサかイドリー。イドリーは米粉の蒸しパンみたいなもんで、なぜかちょっと酸っぱい。そいつを辛いカレー汁につけて食う。もしくは、右手でねちねちとカレー汁と一緒にこねて食う。まるで熱いシャワーを浴びて目を覚ますことのように、カレー汁を朝に食うことは、ここはインドであり、自分は今インドにいる、ということをハッキリと思い知るための儀式のようなもんだ。ひるは・・なにくったか・・・ミールスだ・・・大皿かバナナの皮にちょっとずついろんな種類のカレー汁やカードと呼ばれるヨーグルトが盛られ、そいつをぱさぱさの米と一緒に、やはり右手でぐっちゃぐちゃにこね回して食べる。今日は腹が減っていなかったわけではないけど、二口三口、口に運んだら、もういやになって、ただ白い飯だけ食って終わりにした。
六時頃、ミーティングのあと、疲れたのでバーガー屋っていうかベーカリーにいって、フライドポテトと、甘いお菓子(なにかわかんないけどしっかり香辛料がきいている)、とアヌーシャが食っていたサンドイッチの半分をクリスとまた半分に分けて食い、エスプレッソと称する濃いめにとかしたネスカフェをのむ。帰りにフルーツジュース。チク、とかいう日本では見かけない、ジャガイモみたいなフルーツのジュース。ジャイのうちでキウイのようにスプーンですくって食ったやつ。腐りかけた梨みたいな感じ。口の中でじゃりじゃりする。
きょう、シーディットのスタッフの一人が死んだらしい。バイクに乗りながら携帯電話をかけていたそうだ。夕方、ベーカリーでジャイから聞くまで、人が一人死んだなんてきがつかなかった・・・。どの人かわからないけど、昨日までそこにいたのだろう・・・。何もなかったような普通の一日・・・・。
シーディットから帰る途中の坂をクリスととぼとぼ歩いていると、なんだか懐かしいような、どこかで感じたことのあるような気持ちがし、ぐら、っと背中の方からおそってきて、おしっこをちびりそうになった。そうだ、子供のころ、お盆になると、提灯をぶら下げて暗い坂を通って墓参りをしたものだった。何年くらい前だろう・・・小学生のころだから、二十五年くらい前だろう。坂の中途に、万屋があって、帰りに冷えたジュースを買ってもらうのが決まりになっていた。暗い坂の途中に暗い蛍光灯に照らされて、小さな、埃をかぶったいろんな日用品が所狭しと並べられていたのを思い出す。てきとうにしか舗装されていない坂道をぽつんぽつんと蛍光灯が照らしその先には真っ暗な林が広がっていた。
そうだ、今となっては、いっちょまえの地方都市を気取っているけれど、幼いころの水戸は、こんな感じだった。茨城大学のあたり・・・。
小学生のころ、隅田川の花火を見に、どこいらへんだったか、川沿いの雑踏へ父につれられていったことがある。家族でいったに違いないが、記憶には父の姿しかない。人の波にもまれながら、雨の上がったあとだったのか、靴を泥だらけにしながら、屋台や小さな食堂の並ぶ路地裏を、父を見失わないようにあるいた。インドのごみごみした雑踏を歩くとき、その時感じた心細さにを思い出す。全く違う種類のものだけれど、なぜかふとおもいだす。
昨日つながったイーサケーブルが、またぶっちぎれた。なんだかしらんが、もっとひどく切れている。同じところが。同じ所っていっても差し込み口の根元なんだけれど、どう考えても、わざとこねくり回して復帰不可能にしたとしか思えない。つながってたんだから、そっとしておいてよ・・・・
映像の圧縮に関して樋口君にメールで質問した答えが返ってきている。太郎さんからもアドバイス。ありがたい・・・・。ありがとう。ケーブルをこねくり回される前にメールチェックしておいてよかった。いろいろ試しているんだけど・・・黒バックで撮影した映像なんだが、なんせ、照明がうまくなくて、きれいなすかっとぬけた黒がでない。ダンサーが変に見えない程度には補正してるんだけれど、圧縮するとひどい。DivXというのを試すが、高圧縮で画質もいい。しかしリニアに普通に再生する分にはいいんだけれど、スライダーでバック、フォワード・・・なんて動かそうと思っても、相当なマシンパワーを要するようで虹色の玉がぐるぐる回る。ビデオの中途のポイントへとんだりいったり来たりするファンクションもあるので、これは無理だ。ソレンソン3かな、やっぱり。mpeg4の方が圧縮率がいいし黒がきれいにでるようだけれど、これはどうなんだろう・・・。ウィンドウズでうまくいくのか・・・?
まあ、期待はしていなかったけれど、やっぱりこっちのスタッフもあまり詳しくない。しかも、今時directorでオフラインメディアのオーサリングなんてやっているところも少ないだろうから、最近どんなことになっているのか、よくわからん。こんなの来る前に調べとくべきだったし、調べてくるはずだったんだけど、出発前にテンパッたおかげで、何の用意もしていないまま、まあ何とかなる、と思ってきたんだった。去年の経験から何も学習されていない。ここでは、何とかならないことの方が多いんだ。さあ、どうしよう。ダイアルアップでつないでも、ノイズだらけで、ウェブサイトが一ページも開けないまま、ぶつぶつ切れる。調べようにも調べられない。自分のマシンの中をくまなく探しても、そんなものに関する情報は見あたらない。今日樋口君にもらった映像圧縮の基礎、みたいなドキュメントだけだ・・・。そこには、映像圧縮はとっても奥が深くて、コンプレッショニストという職業がかるらしいことが書いてあった(笑)奥が深いのは、よーく身にしみてわかっているのに、何で調べてこなかったか・・・実験してこなかったか・・・・
macwinハイブリッドDVD-ROMをディレクターでオーサリングして、映像の画角は640*480。そういうとき、どういう圧縮が最適なんでしょう?どういう設定が最適なんでしょう?DVDということでそれなりのスペックのマシンを想定するから、あまりマシンスペックは気にしない。ズバリ、これで行け、ってだれかおしえてくれないかな・・・・(笑)
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0302
相変わらず便はゆるいが、もうだいぶいい。
今日も朝飯を昨日と同じところで食って、昨日と同じように出勤。歩いて。五分くらい。
コヴァーラムで焼けた額の皮がむけ始めて、ひどくみっともないことになっている。そこで、cafe do brasilと書かれたばかげた帽子が手放せない。東京でかぶっていても、ばかげてることはばかげているが、インドでは輪をかけて全くばかげて見える。誰一人として、なぜそんなことがかかれたオレンジとブルーの帽子をかぶり、的が胸に大きくかかれた水色のTシャツにジーンズ姿なのか、理解できないだろう。まるでちんどん屋が歩いているようにしかおもわない。自分でも理解できない。自分がちんどん屋にでもなったような心持ちがする。皆振り返り、子供たちは手を振る。
インド綿のシャツに腰布で裸足のおっちゃんたちの方が、正しいような気がしてくる。というか、正しいんだけど。
トリバンドラム市内では、あまり牛やイヌを見かけない。牛やイヌもこの暑さに参っているのかもしれない。っていうか、今冬なんですけど・・・・。
牛やイヌを見ない代わりに、共産党の赤い旗が、至る所にはためいている。しかも、日本の横断歩道に備えてある学童用の黄色い旗のように、一所に旗が何本も植えてある。張り紙禁止、とかかれていない壁という壁に貼られているのは、たいてい、へんてこ映画の手書きのポスターか、共産党のスローガンが書かれた文字だけのポスターだ。
トリバンドラムはどんなところかといったら、赤い旗と椰子の木とリキシャのまちだ、としか答えられない。こんな事は考えていなかったが、ここへはもう二度とこないんじゃないか、と思った。二度くる?二度くるなんて、インドの街ではどこに行っても考えられない。考えられないが、二度くるのだ。いつかくることになるのか・・・・。赤旗と椰子とリキシャの街に。
午前中、インド人のdirector使いのおじさん(こう書くと蛇使いみたいなのを想像するな、おじさんといっても二十代後半くらい何だろうな。ここの人は、ちゃんと教育を受けた技術者たちだ。みんな身なりだってキチンとしてる)が、ちょっとやってきたんだけど見てくれ、といってモックアップみたいなのを作って、きてしまった・・・。しかも、なんていうか、銀行のATMの画面みたいなデザインで、ボタンとか、変な色のマーブルだったりして・・・この言葉、あまり使いたくないけど、ダサイ。でもかなり作り込んでる。まあそれはいい。まずいのは、彼らが指示を待たず、突っ走り始めていたことだ(笑)無駄な作業と無駄な時間が発生している。それは、俺が昨日おととい、クリスについて行ってみよう、と思ってしまったからだ。それもあるし、彼らは彼らの仕事の進め方があるだろうし、それを理解しないまま、こっちもいつもこんな感じだから、ということでコミュニケーションを怠っていたからだ。長年連れ立っているかみさんにも、ちゃんと毎日愛してるといわなければいけない、みたいなことだ。ちがうか・・・。違うな、全く(笑)よしわった、やっぱり俺が仕切る、ということで、クリスジャイアヌーシャ俺で緊急会議。進め方の再確認と、こういう段取りにしてくれということをお願い。というか、再確認。俺の作ったスケジュール表とドキュメントの最新バージョンをちゃんと見ながら、話を進めてくれ!明日でいいから、全員集めろっ。 勉強になるなあ・・。基本的なことの(笑)いや、なんて事ないんだよ、日本でだったら誰でも出来るようなことが俺には出来ないんだから、ここで勉強するわけだ(笑)それともちがうか・・・?そう、それはインドだからだ、ということも出来る・・・。いやインドだから、じゃないな・・・俺の責任だ。俺の言葉の壁と(これは正直、ひどく大きい・・・・何回そんな反省してるんだろう、何で時間があったのに勉強していなかったんだろう・・・と何年思っているんだろう・・・言葉を知らないから、例えば、「一石二鳥」といえばわかる概念を、いちいち回りくどく、しっている簡単な言葉だけで表現しなければいけないのだ・・・)クリスやジャイに頼ってれば何とかなっていくだろう、という甘えのせいだ。
まあ、とにかく、クリスもジャイもしきり屋さんではないようなのでここは日本人の俺が、細かく管理することにした。細かく、っていったって、細かいことにならないんだけど。
昨日、ぶった切れたイーサケーブルは、ほぐして、何本かある切れた導線をねじって結ぶことで復帰。なんだそれ・・・・。つかれる・・・。
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0301
腹筋鍛えよう。腹がたるい時、踏ん張る腹筋がないとだめだ・・・・。コルセットのように、ちゃんと内蔵を持ち上げてくれる腹筋を作ろう。腹が出てきてわかった。すべては、腹からだ。腹が大切だ。そして、インドをしればしるほど、腹が大切だ、と思うようになる(笑)
昨日よりは、よくなっている。下痢も水のような物から、軟便に変わってきている。時々でるけど、水が。便はちゃんと観察しているけど、別にアメーバがいるときのようなもんじゃないし、大丈夫だろう、サルモネラとか、そんなやつだったんだろう。そんなやつだったら大丈夫だ。腹痛も軽くなり、十二指腸あたりから、少し下のほうに変わってきたので、大腸に屁がたまって張っていたんだろう、今ではこれは腹が張っているときの感じだ、とわかる。
インドは、ケツと口の距離が近い。糞がそこら中にあるということもあるし、生活していると、ちゃんと感じる。食い物を食べて、糞がでて、それがまた飯の肥やしになって、食って出して食って出して食って出して・・・・みたいな感覚がヴィヴィッドだ(笑)それに大地と人の距離も近い。そこら中に人がぶっ倒れているからというのもあるけど、ひとが大地から生えている?ように見える。その感覚がわかる。自分は大地から生えていない、とも感じる。それから、牛もイヌも、かも、はえも、おっ三もおばあさんも、おばさんも、姉ちゃんも、ガキも、みんなみんな生きてるんだ友達なんだ、と思う。友達なんだとは思わないか。うん絶対思わない。ただ、普通にこの世に同じようにどばどば、っとばらまかれたように見える。ばらまかれたというか、わいてきたというか。自分も含めて。
今日も昨日と同じスケジュールだ。何も変わったことはない。朝飯を食ったのも昨日と同じ所であいも変わらずマサラドーサとコーヒー15Rs。昼飯は、昨日茶を飲みに行った近所の中流家庭のご子息が集まるバーガー屋でピザアンドコークセット50Rs。夕飯は、トリバンドラム初日にいったホテルの上のレストランでチキンヌードルスープにラッシー80Rs。飯以外は、仕事。ミーティング、作業、ミーティング、ミーティング、時々作業。まあ、作業はほとんどしていないけど。アイデア出しと、口出しだけで。うーん、まだ、構造が腑に落ちないんだけど・・・・。
結局どこへ行っても、仕事は仕事なのだ。場所が変わっても、結局は自分が何者か、ということでその人の生活パターンが決まってくる。今回は、作品作りとか発表とかそんなんではなくて、マルチメディアソフトを作りに来た。技術者として。身体表現に理解がある技術者というだけでインドに呼ばれたが(ちなみに、インドの古典舞踊のバラタナティヤムとカラリパヤットいう踊りのようなマーシャルアートに関するマルチメディアソフトを作りに来ています)、こっちでやってるのはいつも仕事場でやっていることの延長だ。いつものようにいかれたアーティストたちに囲まれているときとは違って、シーディットのようなところで技術者に囲まれて真面目にドキュメント作ったり、ホワイトボード囲んで会議したりしている状況では、一服休憩の時なんかにおまえは何やってるの?と聞かれると、アーティストです、ではなくて、webデザインの会社で・・・なんて答えてしまう(笑)。まあ、多少立ち位置は違うんだけど。立ち位置もへったくれもあるもんか・・・・まあ、とにかく、俺はこういう人間なんだ、とおもうことにする。何でもやります。インドにも来ます。
シーディットではLANにつないでネットに接続できるんだけど、地下のスタジオ周辺では、なぜか五台くらいのコンピュータで一本のイーサケーブルを挿したり抜いたりして共有している。で、その一階からずーっと長く引いてきている一本のケーブルが、朝、断線した(笑)もう使えないじゃん・・・・。たぶんあんなながいケーブル、あの人たち、もう買いなおさないと思う。なければないで、かまわないって感じだろう。ゲストハウスの電話だけになった・・・。
しかし、バラタナティヤムとインド舞踊の元になるインドの世界観に関する知識がどんどこ増えるんだけど、結構発見、というか、はっとさせられることが多くて(当たり前だ、インド五千年の歴史だぞ・・・)わくわくする、事もある。
えーと、何か、トリバンドラム情報でも・・・。ないな。あ、ここは結構起伏の激しい街で、坂が多いです。で、どこを見回しても、ココナツの木が茂っています。高台から見ると、ココナツの森の中に人が住んでいるようです。
お!そうだ、今日から三月だった。二月は二十八日までなので、なんだか三日くらいはやく日本に帰れるような気がする(笑)早く帰りたいが、もっと時間がないといけないなあ・・・とも思う。
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0228
どうも、C-ditというのは、このラシアンカルチュラルセンター内の敷地内にあったらしい。websiteをみるかぎり、それ相当なところを期待していたのだが、防音もなっちゃいない編集スタジオ、みたいな小部屋と、物置小屋みたいなところに二〜三台、 LGのふるいウィンドウズマシンが転がっているだけ・・・・。オフィスには十人くらいのインド人が働いているが、三十年前の日本の役所みたいな所だ。でも、なんか役所みたいな仕事をしてるんではなく、時々、コミック風の絵コンテなんかを書いてる奴がいたり、そんなようなもんを囲んで、ああでもないこうでもないと言い合ったりしているので、そんな仕事をしているようだ。しかし、マシンが少ないためか何なのか、つねに、何かマシンに向かって仕事をするときは、後ろに二人ぐらいただぼーっと見てる奴がいる・・・・。なんだ、ここは・・・。みんな裸足だし・・・。
九時にまた従業員の執拗なベルの音に起こされ、近所の少しきれいめな飯屋で朝飯。なんたらドーサとアップルジュース。
腹痛は昨日よりはましなようだ。下痢は相変わらず。しかし、これだけ下痢が続くというのに、体力は全く落ちない。こまめに水を取ることに気を遣っている。脱水症状は出ていない。逆に、気持ちいいように水になって全部でてくるので、体がきれいになっていくような感じだ(笑)
十時半、仕事場に着くと、ジャイとアヌーシャはまだ来ていない。結局、昨日「彼岸過迄」を読んでねてしまったので、できなかったドキュメント作りを午前中のうちに済ませる。プリンターを借りようと思って、聞いたら、ふるーいHPのちっこいインクジェットプリンターを出してきて、これしかないけど・・・・という。まあいい、出力できれば。とっちらかっている彼らの書類を見ると、みんなそれで出力した物らしい(笑)
近くのホテルのレストランで軽くサンドイッチなんかを食ったあと、そいつをたたき台にミーティング。いろいろああでもないこうでもないと言い合ったあと、修正して、スタッフみんなに配るバージョンを作る。が・・・・クリスが、こんな感じでどうだ・・・とあとから言い出して、混乱。俺もクリスの言い分を何とか取り入れながらうまくやっているつもりだが、彼は彼の意見を何が何でも通したがるようで(笑)。まあ、いい。
どうも、みんなそれぞれ仕事の進め方がバラバラで、思うようにいかない。例えば、はじめのミーティングでスタッフィングやらスケジュールやらについて決めているのに、次の瞬間からは、誰もそれに従っていない。ちゃんとスケジュールを決めようよ、といって、大きな紙に書き出してやってるのに、次の瞬間から、あれ、それ今やるんじゃないんじゃないの?みたいなことが始まる。クリスは全くそういうことには気を遣わないようで、ジェネラルな取り決めだの、仕事の進め方のコンセンサスを取ってから始めるだのには全く言及せず、おもいついた事を時々まくし立て、しかも具体的ではなく、フォーサイスの時はこうだったとか、こういう風な感じにした方がいい、見たいな抽象的なコンサルティングのみ。かとおもうと、ただフォトショップなんかでトップページのラフデザインなんかをいじくって(フォーサイスのやつのまんま・・・・)あれ、さっき言ってた構造と違うことになってるぞ、とのぞけば、こういう事にしたよ!とか勝ってに決めてジャイとアヌーシャを言いくるめ始める。アヌーシャはどうも、そんなクリスの進め方を煙たがっているようだ(笑)いつまでたっても全体を見渡すプランがたたない・・・・ということは、十人近くもいるスタッフが、どういう構造で、どんなページを作ればいいのかどんなプログラムをすればいいのかわからないまま、スタックしながらまっている。待つのはインド人は得意だから、別にどうって事もないんだろうけど。このままでは、十一日のクリスの帰国までに、バラタナティヤムだけは終わらせるというプランは、無理だろう。つまり、あとに残る俺にしわ寄せが来るというわけだ。クリスはフォーサイスのCDまんま(それはいくら何でも、ということで、ちょっと変えさせたが)のトップページのデザインをして、言いたいことだけ言ってバイバイするつもりだろう(笑)。
日本でやってるように、これはこういうプロジェクトで、スケジュールはこうで、構造はこんな感じで、これとこれとこれが必要で、それをどういう風に加工して、必要なデザインはこれとこれとこれで・・・みたいなことが見渡せて、みんなで仕事を分けて・・・みたいな段取り、そう、段取りという言葉が存在していない!ビデオ素材は、どういう構造にするのか、どんな目的で使うのかも決めていないのに、百時間も取りためてるし(しかもマルチアングルで、一つもフィックスカメラからの映像はない)、それらをオーサリングしようというのにまだHDにとりこんでもいない、ログも取っていない、それだけで、四日はかかるぞ。あと一週間ほどで終わらせなければいけないのに、スタッフィングもいみないしスケジュールもたたない、たててもないに等しい。なんか、すみのほうではちんたらフラッシュでサンプルで渡したビデオにラインを書き込んでるやつがいるけれど、どれだけの量こなせばいいのかもわかっていないまま、これはどうしましょうか・・・なんて言ってる。ちゃんとリストにまとめて、どのくらいの人と時間がかかるのか割り出してくれ、といったのに、そんなことは忘れているようだ。百時間ものビデオの詳細な内容と、バラタナティヤムのことを俺がわかるわけもないので、俺が自分でやってもいいが、そんなあきれた非効率はない。そう、ここには、効率、という言葉もない。インド人だけではない、ドイツ人のクリスにもないようにみえる。それとも、何も考えず、何も見渡せないからと言って気ににせず、彼のやりたいことに従って、ただ彼についていけばよいのか・・そこには、ドイツ式の高効率が待っているのか(笑)よしこれは、インド式なんだと決めて、頻繁に、次はどうする、っていう話を持ちかけてミーティングを作り、細かくコントロールしていくしかないなと思う。くそー、俺もクリスみたいに西洋人で、でかくて、英語が達者だったら、みんなついてくるのかなあ・・・俺がクリアにしたと思ったことは、みんなクリスにとってクリアな物に置き換わっていく。俺の進め方はことごとくなかったことにされていく・・・。それはどうも、その方がどう考えてもいいから、という理由だけではない。俺のプレゼン返しがうまくいかないからと言うことと、ジャイとアヌーシャがまだ全体を見渡せていないから、何を言われても判断しかねているからだ。
胃が痛いのはやっぱりストレスだな(笑)
仕事のことばっかりでもつまらないので、それ以外のこと・・・。特に変わったこともないけど。あ、トリバンドラムでは、よく、というか、至る所に共産党の真っ赤な旗やら釜のマークやら集会所やらを見かける。ここは、インドで初めて共産党が政権を掌握した所らしい。まあ、ここでは主義もへったくれもなような気がするんだけど・・・共産でも社会でも資本でも何でもかんでも、結局ヒンズー主義だ・・・
そうそう、それと、たなみ君からメールを受け取って、ビデオレターを事務所のみんなで見たという。ご覧の通り、元気(とはいえないか、ほんとは・・・)でやってますよ!それと、たなみ君、それ、うちの奥さんに送っておいてください。
ちなみにたなみ君のインド日記は、「たなみ君の大冒険 第一章 インドの巻」で読めます。
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