0330帰国
三月三十日三時、成田到着。飛行機では半分起きてるようなねているような・・・・・バンコックで五時間待ち、の間もベンチで半分ねているような起きているような・・・カフェででっかいビールを飲み、プーケットやら何やらにいってきたんであろう日本人のお姉ちゃんとか、ゴルフにいってきたんであろう日本人のおじちゃんとか、妙に身なりのきれいなバックパッカーの兄さん、家族連れのインド人、フランス人などに混じりながら帰りの成田行きにのる。お姉ちゃんたちの話している中に出てくる「海外旅行とか行くとさあ・・・」という言葉がなんかとても不思議な響きがして、俺も海外旅行に行きたい、とか思う。
成田では寝ぼけたまま気がつくと外に出ていて、スカイライナーのホームにいた。キオスクでビールとポテトチップと何でもいいから卑近な文章が読みたかったのでスパを購入。とばし読みながら気がつくと日暮里、秋葉原飯田橋・・・・。
バンガロール空港で十キロオーバーのところを頼み込んで許してもらったスーツケースをタクシーに積み、一月半ぶりの自宅へ。
道中ほとんどねていたし、何も考えていなかったせいもあり、「あれ、さっきまで、俺、インドみたいな所にいなかったか?さっき、ジャイの家にいなかったか?」と不思議な感覚。
さて、最終日の話をします。これで終わりです。
まったくねむれずに最後の夜を過ごす。A/C、つまりエアコンディションのない部屋で、しかも窓が開かず(窓は開いても開けたくないけど)天井のファンは回すと、ぐいんぐいん爆音を立てるのでそんな音で眠れるはずもないと判断しスイッチを切ったので、ものすごい暑い、空気がよどんでいる。テレビをつけて、なんだかよくわかんないひげと美人のへんなダンスや、ねちねちした男女の歌、つまんないアメリカだかイギリスだかの若いポップスターのMTVを見ているうちに、朝六時を回り、外ではお祈りの歌が鳴り響き、物売りの声が響き、クラクションがひっきりなしに鳴り続ける。
いつの間にか寝ていたようで、気がつくと十一時。もう別にする事もないので、ゆっくり荷物をまとめ、ぶらりと外に出てアタカラリの角の飯屋でマサラドーサとコーヒー。リキシャを捕まえてMGロードへ。今回の旅の思い出に何か一品、と思い、なたらじゃの小さな置物をブリゲードにある土産物屋で購入。アヌーシャには踊るガネーシャの置物をもらったので、二つ並べればかわいい。ついでに、かみさんにちょっとしたアクセサリーを購入。なんか気が抜けて、おばちゃんの強引なセールスを拒む力もなく、いつもだったらあんなに長居して、そうだねえ、とかああいいねえ、とかそんなやりとりなんてしないのに、買う気もないのにいろいろ見せてもらったり、世間話したり・・・。
そのあとはスーパーに寄って、ドーサやらカレー汁なんかのインスタント食材なんかを買い込む。東京でみんなに作ってやったらいいんじゃないか・・・たなみ君と一緒に作ってみようかな・・・なんて思いながら。
カフェで一服したあと、三時にジャイと待ち合わせていたのでアタカラリへむかう。アタカラリではちょうど撮影スタッフのリーダーのひげの立派なおじさんが来ていて、ジャイがDVDを見せたいんだけど、アタカラリのパソコンにはDVDドライブがない(って、おれたちDVD-ROM作ってたんじゃないのか(笑)というので、俺のパワーブックで見せる。いたく感動してくれて、おめでとう、と。
四時頃ダンサーたちとスタッフのみんなにおわかれをいい、ジャイの家へ。七時半くらいにはでないといけないがそれまでじかんもあるので、それまで、ジャイとつもる話でもしようということで。手料理を作るからビールでも買っていこう、ということに。ジャイは呑まないけど、今日は最後だから多少酔ってもいいやって事で三本キングフィッシャーを買って、今までを振り返って、あれはこうだったの、ああすればよかったの、これからはこうしようだの、おれはこう思うだの、つまりリラックスした世間話だ。取りあえず、これから二〜三日は休もうよ、と。アヌーシャが帰ってくるのは一週間後らしいし。クリスも音沙汰ないし。
少しだけ次のプロジェクトの話をする。もしかしたら、九月か十月、インドかイギリスで・・・・ものすごく曖昧な話だな(笑)でも助成金が取れそうなので、たぶんこんどは濱中氏と一緒に何かやりに行くだろう。もしかしたら、東京の某母校で、という話もあるらしいけど、まあ、それは望み薄だろうな。
ジャイの作ったあまりスパイスのきいていないなんかわかんない、あれ何だったんだろう・・・・カレー状のものとチャパティとパパラム?っていうぱりぱりせんべいをつまみにキングフィッシャーをちょうど三本飲み終わったころに出発の時間。
ジャイに車で空港まで送ってもらい、すぐ会おう、と約束して俺は空港へ、ジャイは車で、誰もいない、俺の食い散らかした皿がまだでているであろう家へ。
両替を済ませ、チェックインをし、コーヒー一杯分だけ残したルピーでカプチーノを呑みながら出発を待つ。何もすることがないと、いろいろなことを思い出す。何もすることがなくて、何も考えたくないときは、寝るに限る。眠れないときは、何をすればいいんだ。何もしなくていい。半分目を閉じて、流れに身を任せていれば、よけいなことを考えずに、時間だけが過ぎていく。不思議なことに、それが出来るようになった気がする。その時間が、無駄な時間ではないと思うようになった気がする。すべては大切な人生の一瞬。
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