Tue, 12 Jul 2005

不可読
週末の記録。
土曜日。わすれた。何だ?雨だっけ?どこかいったっけ?朝、掃除をしたことは覚えている。なんやかや家事で忙しかったんだろう。あ、夕食は近所の沖縄料理屋で、ソーキそばやら何とかなんとか、とかナントカかんとかという食べ物。レンタルビデオ屋によって、村上龍の69の映画。大学一年生の時に読んだ覚えがある。すっごくおもしろくてすっごくわらった。でも映画は笑えなかった。まあまあおもしろかったけど。音楽は本物使えなかったのかな・・・。lady janeとかwhole lotta loveとか偽物が流れたときは、しらけた。
いつでも馬鹿な田舎者はいて、馬鹿も楽しいんだけど、実は馬鹿の知らないところでちゃんと優秀なやつはちゃんと確実に歩みを進めていて、馬鹿の知らないもっと楽しいことをやってたりする。
振り返れば、俺は馬鹿のオリンピック代表になれるような馬鹿であった。俺がストーンズ最高、ロックンロール!とかいってたときに、ちゃんとやるべき事をやっていたやつもいる、今ようやくこの年で理解したいと思うようになったことをそのころから理解しようとしていたやつもいる。十八の頃は、ロックとお姉さん方のことしか考えていなかった。嘘はつきたくないので本当のことをいうが、本当にそれしか考えていなかったのだ。
おやじになって、馬鹿なかまとだけつきあうわけにも行かなくなると、優秀な方々の優秀ぶりに舌を巻く機会が多くなる。舌を巻いて南無阿弥陀仏を唱えるしかない。そういうとき、十五でカントやらヘーゲルを読んでいた人間と十八なのにハイデガーもデカルトも名前さえ知らずブラウンシュガーのキースの素っ頓狂なコーラスが最高なんだよ、などと酒飲みながら朝までお姉さん方の下の方の話とロックの話しかしていなかった人間というのは、どこに分かれ道があるのだろうか?
今の気分でいうと、そういう人間の差は、運命的なほど絶対なもので、一生涯かかっても埋めることのできないところなんだろう、という気がする。
俺の二十代は、うっひょー、あちょーとかいいながらイントレの山を駆け回ってパフォーマンス!パフォーマンス!いえーい!とかいってた馬鹿丸出し、アートとか芸術とか、洗練とか美とか、そういったものとは無縁、というかそういうことする人たちはすごいなあ、とかおもって、考えると頭が痛くなってふて寝をしていた時代。たまに、というか、おなじ二十代なのに、勤勉、勉強熱心、自分に厳しい、俺よりよーくわかっていらっしゃる人がいたりすると、ああ、俺はなんて田舎者だったんだろうと思い、うらやましくなり、ちょっと酒が飲みたくなって、やっぱりふて寝だ。

何の話だ?週末だ。日曜日は、書をやってる?書いてる?母が、上野の東京都美術館でやってる毎日書道展(全国の書道家の方々の文化祭、の様です)に出品した得意の不可読前衛書(笑)が入選しているということで、久しぶりに父と母そろって東京へ出てくる。上野で待ち合わせ、かみさんと四人でぶらぶら。動物園いったり。はははは、動物園。楽しかった。スローロリスがかわいくて、夢に出てくる。サルの仲間なんだけど、あほなおやじは、「ははあ、変なリスだな」と何度もつぶやく。でっかく「サル」って書いてあるんですけど・・・。じゃあ、スローロ、ってなんだよ(笑)ん?「ロリス」ってなんだよ?

夕方、弟夫婦に親守をバトンタッチして、エトインテラパクスの朗読会へ。
二〜三分、遅刻しました!ごめんなさい。
吉祥寺から、迷った。迷うこと三十分。へろへろになってようやくたどり着きました。
書道展には、何千件(笑)という作品(墨と紙!)が壁にびっちり貼りつけてあって、まあ、だいたい出品者は自分の作品を地図片手に見つけてその前で記念撮影をするためにきているわけです。それだけの量の書、しかも、各地方、地元では大人向けの書道教室を開き前衛書なんかを教えたりしているそれなりの先生方ばかりが、これだ!と思った作品ばかり集まってきているわけです。どれもそれなりにある一定のレベルを超えている。
それだけすそのが広く、人口も多く、競合が多い芸術分野というのも珍しい。それとほかには、漫画?(笑)
で、何が言いたいかというと、そういうこと?がいいたいんじゃなくて、それだけ書を見ていたら、墨のひとはね、にじみの隅々迄コントロールしようとしている作品はいやらしい、とおもったのです。そうしなければよくならない作品の種類もある、けれども、それは非常に難しいので、なかなかそれなりのものにならない。どこかいやらしさが見えてしまう。それに挑戦することはとても尊いことだというのはわかる。
でも、どこかコントロールできないものに降伏している様に見える作品は、さらに尊く美しいと思うのは、俺が弱い人間だからなのかな?
世界はあまりにも複雑で美しいので、一人の人間の想像力、趣味、意図などというものが、つまらなくちっぽけで俗なものに見えてしまうんだ。

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