Wed, 14 Dec 2005

まとめてイギリス日記(覚えてることだけ)
イギリスから帰ってきても、ずーっと書いてなかったので、「どうせ失敗したんだろう。都合の悪いことは書かないようにしてるんじゃないか」もしくは「イギリスであまりの寒さにどうにかなってしまって帰ってこられないんじゃないか」とか思われるのはこまるので、もうだいぶ忘れてしまったけれど、全く記憶の底に沈んでしまう前に思い出して書いておく。
どこまで書いたんだっけ?
ああ、まず、先週末のことから。イギリス関係ないけど。
うちに大学時代からの友達でファイバーアーティストの脇坂が遊びに来る。ほさなちゃんという怪獣をつれて。友人関係のつれている怪獣たちの中でも、特に良くできた二歳獣で、なんというか、非常に独特なおもしろみを持っていて、非常にかわいい。道を歩いているとき、白線の内側を歩かないと、注意される。彼女が決めた順番に座らないと怒られる。音が鳴ると、無表情に踊り出す。キリスト教徒なので賛美歌が得意で、先生から「ほさなちゃんがみんなの知らない謎の歌を絶叫してこまる」と報告されたことがあるらしい。お母さん似。変わった親子だ。
ところで、イギリス。どこまで書いたんだっけ?メキシコビールまでか・・・。
次の日も同じような一日。夜は、例のごとくサンタフェへいき、メキシコビールを飲んで、そのあとケイコさんとエレンとジャイとマチューで教会をリノベーションしたパブというかクラブといくか、そんなところへ。なかなかナイスなところ、だけど、教会をパブ、とか教会をクラブ、とか、どうなんだ・・・?日本だったら、古い寺とか神社を改装してクラブするようなこと?わかんない。
イギリスらしく、帰りはとても深い霧がでていた。
つぎのひは・・・同じか、同じだったような・・・。同じ。
十二月一日は、一日中劇場で仕込み。劇場のスタッフはとても気持ちのいい人たちで、めんどくさそうなお願いにも、イヤな顔一つせずに取り組んでくれる。結局、劇場側のDMXのチャンネルパッチングを我々の用意してきた物にパッチし直すのに時間がかかり、まあ、それでも一時間半くらい押しで終了。あ、トロイカランチのマークとドーンもいろいろ面倒見てくれた。いい人たちだ。現場でのテンションも高い。彼らは何度か再演をこなしているためかさすが手際が良く、人のセッティングの世話までする余裕。
二日は本番の日。夕方から何度か通してリハーサルをして、最終的な詰めをする。音のバランスをとったり、終盤盛り上がりに欠けるところを差し替えたり。
公演は三本立てで、我々とミランダライツとトロイカランチ。いわゆる「インタラクティブ」性の一番少ないのは我々の作品なので、ちょっとこういうコンテクストの中でどう受け取られるか不安だった。みんな体にセンサー付けたり、カメラセンサーでダンサー追跡したり、ダンサーが映像をコントロールしたり、マイクを仕込んで声と映像を連動させたり・・・。一方、我々はライブでネタをつっこんでいくだけ。もちろん単なるVJやDJというわけではなくて、カメラ仕込んでエフェクトかけて生ダンサーとミックスしたり、ダンサーの位置にあわせて、”マニュアルで”ダンサーを追跡したり・・・まあ、どっちかというと、演出優先。手でできることは全部手でやる。ライブ特有の高解像度と低解像度が混在した絶妙なノリを心がける・・・。
タイトにまとまった。ちょっと出だしに失敗したんだけど・・・まあ、それもライブのノリで、わざとやってるエラーっぽくなったのではないか・・・。終盤、突然映像と音がストップする10秒を差し挟んだおかげで、なんでもありな感じができたんではないかと思う。ああ、この作品では何でもありだな(笑)・・・と。松本真宙のパフォーマンスも良かった。濱中先生のライトもちゃんと動いたし、きれいだったとおもう。ちょっと光量が足りなかったような気がするけど。上品で良かったけど。
評判は上々。我々がベストパフォーマンスだったという人多数。こわれたような音と謎のピラミッド体験と独特なジャイダンスのとりあわせも意外だったのかもしれない。床面と壁面全体を使って、書き割りの風景としてだけ映像が存在しないように気をつけた。装置として、出演者としての映像になればいいと思って。できる限り、その場で起こること以外の何かを想像させるようなことはしないこと。現前性?
ほかのパフォーマンスもおもしろかったけど、共通していたのは、結局ダンスは見飽きたモダンダンスの表現、テクノロジーはそれと分離していて、後ろのスクリーンと前でやってるダンスがあまり関係ないということ。スクリーンの向こうに何かを作ろうとしていたこと。スクリーンはスクリーンだ。その向こうに何があるわけでもない。よっぽどうまく構成しなければ、客の想像力は喚起されない。何しろ、そこに、目の前に、スクリーンの前にリアルな身体と空間が存在しているのだ。トロイカランチはうまくつなげていたけれど、なんだか「スクリーンと遊ぼう」みたいな感じになってしまっていた。ダンスパフォーマンスという形をとって参加型のインスタレーションにしないわけはどこにあるんだろう。ギレインは「怖いのよ、彼らは特権的なアーティストでいたいのよ、才能ある物としてのアーティストが何かを作って凡庸な人々に新しい物を見せてあげる、という構造から逃れられないのよ」というようなことをしきりに言っていた。
あ、ギレインのプレゼンもまあ、おもに自分らの宣伝って言うか、そんな感じだったけど、co-authershipとかそんなのに関する物で、まあ、だから話が合うんだけど、良かったと思う。CMprocessに関しても言及してくれたし、ちょっとだけ。
三日は松本さんが帰国。シンポジウムは場所を大講堂に移して、さらにわけわかんないことに。よくわかんなかったけど、モスクワやらミラノやら世界各地の権威的な有名バレエ劇場の地下やらキッチンやら楽屋やらに違法で侵入して、webカメラを設置してあほなパフォーマンスをブロードキャストするプロジェクトをやってるスロベニアのオヤジがおもしろかった。計画はまるでスパイ大作戦みたいでプレゼンの仕方もオーシャンズ11に出てきそうな・・・。はじめはたくさんの人が進入するプロジェクトだったのが、だんだんラジコンカーに携帯をくっつけて無人化してきて、あげくには自分でダンスするのも面倒なのでおもちゃのロボットを踊らせたり。悔しい(笑)態度がいい加減で真剣でおもしろすぎる。スロベニア恐るべし。こいつもっといろいろおもしろいのもあったんだよ。特にこれが・・というのはないんですけど・・・。わかんねえからねえ、難しい英語。
その日の夜は最終夜ということで、みんなでクラブのはしご。マークとドーンはものすごいテンション。すげえ。あのオヤジいくつなんだ?おおかたのメンツは二軒でギブアップしたが、彼らは三軒目へ向かったという。深夜三時から・・・・。
二軒目では我々がでたあと、暴動が勃発したらしく、あとからかえってきたみんなによると、次から次に関係ない奴らが便乗し、ガラスは割られ瓶が飛び交いフロアでは殴り合い、店はむちゃくちゃになっていたという。はあ・・・?
確かに、なんか街は一触即発な雰囲気をたたえていて、マイナスの気温の中、八割方裸の十代の女の子とかポロシャツやらタンクトップやらの兄ちゃんたちがギャアギャア言いながら走り回ったりうろうろしたりしている。謎・・・。
そのあと隣のホテルのパブでみんな集まって朝まで飲んだ。
四日は関係者のブランチにでて、ポルトガルのナイスな兄ちゃんたちと話したりして電車の時間まで時間をつぶす。二時半くらいの電車でロンドンへ移動。
エクハルトの家で少し休んでから、ギレインと渡辺さんの家へお世話になるため、重い荷物背負って移動。19階の窓からはロンドンが一望できる。すげえ・・・。
ビールを飲んでいたらギレインが帰ってきたのでさらにビール、そしてギレインのトークショー(笑)nottinghamのイベントに文句たらたら。
次の日は彼女らの事務所にちょっとおじゃまして、そのあとテートへ土産物買いに。高いので買わず。渡辺さんを呼び出して昼飯。パスタ。もちろんまずい。うどんみたいなゆで加減。ピザも頼んだら、焼きすぎたのでもう一枚サービスします、ともってきたのだが、そいつも焼きすぎなんじゃないか・・・いや、焼きすぎはいいけど、根本的にこのパンチのない味は何とかしてほしい・・・と。
渡辺さんが帰国の準備のために三越へ出荷の手配をしに行くというので、ぶらぶらつきあい、帰りはでっかい段ボールを抱えて帰宅。
リスボンからたまたま来ていたフランシスコと三年ぶりに会いギレインの家で夕飯。インド料理出前。三年ぶりでたどたどしい英語ながら一生懸命つもる話でもしようと思っていたのに、やはり、ギレインのトークショー(笑)約三時間ぶっ続けで悪口から褒め殺しにいたるまで、憑かれたのではないかと言うくらい話しまくっていた。おもしろかったからいいけど。内容はほとんど忘れたが・・・。
翌朝、タクシーを呼んでもらい、十時にギレインたちにお別れを言い帰路へ。ヒースローエクスプレスが便利だから、といってパディントンまで行ってもらって乗り継いで空港へ。しかし、なんで空港に行くのに、あんなに金がかかるんだ?タクシー代15£、ヒースローエクスプレスだかなんだか知らんけど14£、六千円以上かかってるじゃないか・・・。帰り道、急に日本での細かいやりくりの毎日を思い出し、かなり鬱になる・・・。スーパーで一円二円の差に細かく気を遣っているというのに、飛行場いくだけで、六千円・・・・?確かに地下鉄ででかい荷物はイヤだけど、そこまで贅沢する必要はないだろ・・・・。地下鉄だったらいくらだ?数百円じゃないのか?
と、やっぱり最後もお金の話でイギリス日記は終わる。ジャイ、濱中さん、松本さん、瀬田君もお疲れ様でした。
一月のインドなんですが、例のごとく、インドに呼ばれてみたい人募集中。詳しくは・・・連絡ください。


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