昨日の朝、帰国。
風邪をひいてしまったようだ。2〜3日寝込みたいところだけれど、そんなことは言っていられないな。
明後日は富山で[c-e]の公演なのでその準備もしなければいけないし、今日と明日でこの三週間分の仕事の遅れを取り戻さなければいけない・・・・(笑)いろいろ細かい仕事もある。チケットとったり。お金のやりくりしたり。
まあ、ちょっとその前に・・・忘れないうちに最後のデュッセルドルフの辺りのことをメモしておく。あ、ルブリン公演のことも書いてなかったか・・・。
ルブリンでは、到着後から三日間ほぼやることなかった。まあ、そんなわけで、特に観光意欲もないわれわれはホテルでズブロッカ飲んでいたわけですが、マイダネクにいったのは前述の通りです。それが出来ただけでもポーランドへ行った意味があったと思えるくらいの経験でした。
本番前日の夜、ポールテイラーダンスカンパニーの公演後、深夜まで基本的な舞台作り。会場が劇場と言うよりはレクチャーホールのようなところなので、舞台にトラスを組んで仕込む。状況としてはワースト。スタッフはムハトハーレには比べられないけれど、なかなか頑張ってくれていた。プロジェクター担当の兄ちゃんは英語が全くと言っていいほど話せないのだけれど、それ故か、なにも言わなくても一度指示しただけで全部が滞りなくすすみ一が十になって帰ってくる。仕事が速い。技術力をもって言葉の壁を埋める。それが彼のやり方なのだろう。しかし、タイムカウントモニター用のテレビをおばあちゃんの部屋から借りてきたのには笑った(笑)
当初は最悪と思っていた公演は(もちろんそれなりではあるが)なかなかうまくいった。会場の制約で、床面プロジェクションが弱かったのは残念だけれど。
公演後、ホテルでバーカウンターのブロンドのかわいいお姉さん(むちゃむちゃかわいいんですよ。で、時々きつそうなワイシャツの胸のボタンがはじけてとれちゃってちらりと見えるんだよ(笑)知ってた?浜中さん)をながめながらサティヤやサーガたちとビールで乾杯したあと、三時間ほどねて、深夜三時半にデュッセルドルフへ出発。
デュッセルドルフでは中央駅近くのホリデーインに宿泊。またまたトーマスと同室。もちろん飯はいつも一緒にドナーケバブ。「俺はドイツでなにが食いたいかって?・・・ドナー。もちろんドナーだ。スパゲッティでもドイツ料理でもないんだ、ドナーが食いたいんだ。終わったらドナーストリートへ行ってドナーを食おうな?」
だいたい飯の半分はドナーだったか・・・(笑)まあいいけど。確かに、肉と芋とザワークラフとが一皿にてんこ盛りになっている飯を一日三食くうよりはいい。
劇場は歩いて五分くらいの、NPOがやってるタンツハウスというところ。ここがすばらしいところで、いくつものスタジオに劇場が二つ。子供からお年寄りまで、ガキ向けヒップホップから社交ダンスまでをカバーするクラスにたくさんの人達が出入りしている。コミュニティーの大きさもうかがい知れる。
会場となった大きい方のホールはムハトハーレを凌駕するベストな環境。そしてベストなテクニシャンたち。おもしろくて仕事も速い。もう、ドイツ以外ではやりたくなくなったほどドイツの劇場スタッフはちゃんと仕事をする。盆もフランクフルトもミュンヘンもデュッセルドルフも、質は一定のレベルをきちんとクリアしている。
ドイツ人のすばらしいところは、アイデアや工夫がきちんと積み重なり、蓄積され、その結果として問題への対応が非常に的確で早いところだ。それは彼らのつかう道具に反映され、劇場設備に反映されている。たとえば、これはつまらないたとえに聞こえるかも知れないけれど、高いところへ届く長い竿がすでに用意されているようなことだ。ドイツ以外だったら、その都度どうするか大騒ぎになって半日もかけて急ごしらえで対処し、終わればそんな騒ぎは忘れられ作られた長い竿は改良されることもなく捨てられる。そこで手を抜かないのがドイツの工業製品の優れている理由の一つだ。
デュッセルドルフ公演は今までで一番の好条件の元、ベストの上演が出来たとおもう。残念だったのは、観客が満席ではなかったことだけど。
デュッセルドルフでは、クビライカーンインベスティゲイションというグループと、ベルギーのなんと言ったか忘れたが女性のアーティストのパフォーマンスを見る。前者は日本人の女性二人が大きな役目を負っていた。日本の女性コンテンポラリーダンスグループ的なセントとテイスト。ガーリー。後者は、全編全裸の男女二人組によるなにやら挑発的なパフォーマンス。プロジェクションのアイデアはおもしろかったが、メッセージ性が強い割に掘り下げ度が低かったように思う。全裸で真摯さの態度表明をしているほど、演出からは真摯さが伝わってこなかった。少し、紋切り型すぎたか。思いが強ければいいって物ではない。心で泣いていても、顔で泣いていなければ、他者には彼が泣いていることは伝わらないのだ。何かを伝えようとしてパフォーマンスをするのであれば。
フランシスベーコンの展覧会が開かれていたのでみる。百六十点あまりの巨大なベーコンの作品を一度に見たあと、ピカソからボイス、クレーの膨大なコレクションにリヒターの立ちくらみそうな作品群を見通してみて、一日に芸術作品は一つか二つで十分だな・・・・・と結論づけた。トーマスと一緒にケバブ食いながら。
帰りは、またまた早朝六時にトーマスにたたき起こされ、またいつか会う約束をして(彼はモナコへは来ない)部屋をでて、空港へ。なんだか十五時間くらい飛行機に乗ってうちに帰ってきた。
今回のツアーは、たぶん、なんかいい経験になったような気がする。
十二月はモナコ。


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