うちの奥さんが図書館から借りてきた現代詩文庫北園克衛詩集の巻末の年譜を何気なく見ていたら、明治三十五年生まれと書いてあって、祖母が生まれたのは明治三十六年だから、この詩人だかデザイナーだかしらんが高名な人物と祖母は同じ時代を生きたことに思い当たる。
祖母は女手一人で三人の子を育て、末っ子に孫(おれ)が生まれたとき六十八だった。祖母が何を生業として三人の子を育てていたのか、実は知らない。百姓をやっていたとか洋裁を教えていたとか、ちらと聞いたような気はするが確かなことはしらない。
大学何年の時の冬休みだったか、実家のこたつで祖母と二人きりの時、彼女の若いときのことをきいてみたことがある。東京に住んでいた二十代の頃のことを、催眠にかかったようにぽつぽつと話してくれた。すごかった。俺だけが知っている。
北園克衛の詩なんて、よんだことなかったが、ぽつぽつと短い言葉で書かれた簡潔な結晶のような詩は、おばあちゃんの言葉みたいだと思った。銀座の香り。娘だった祖母は銀座にあこがれたろうか。
といっても、何編かしかよんでいないんですが。
昨日は、パナソニックセンターでやってるデジタルアートフェスティバルなるものに、友人のコナヤギジュンジ君が出演するというので、二日酔いの頭を抱えて見にいく。しかも遅刻。最後の十分ほどしか彼のライブを聴くことが出来なかった。でも、よかったよ。いい音楽か悪い音楽かでいえば、とてもいい音楽でした。
すがちゃんや池田にも会う。現場を仕切ってるのは伝説の舞台監督黒さん(うちの事務所社長)だし。
そのほかにみたのは、藤本某さん+モノクロなんとか。これはちょっと期待していたんだけどな。YCAMで白井君がでてたやつの映像をYoutubeでちょっとみて、カラーキネティックスの光の効果がすごく綺麗だったので。
それから、真鍋さんの表情筋を音楽に同期した低周波で強制的に動かすパフォーマンス。女の子の顔面がぶちぶちいいいながらゆがんでいるのは、ちょっとえろい。わかってらっしゃる。真鍋さんはすごいおもしろい。本人さんはいらしてなくて、代わりに堀君が仕込んでた。
有馬さんは、ガチンコの現代音楽。混じりけなくかっこいい。やっぱり、ああいう混じりけなくかっこいい路線っていうのは、俺世代だと非常にわかりやすいしやりやすいんだよな。しかし彼らのようにやるのは、非常に高い技術と経験が元になっているということを忘れないように。ところで、ラップトップを抱えてふりまわしながら、enterkey一打に魂を込める音楽家を初めてみました。
あと、d.v.d。これはもう、みせかたわかってらっしゃりすぎ。おもしろい。すごく見事。生ドラム(しかも二台)を持ってきたところで勝ち。いくら音と映像の同期で見せるっていっても、あれがラップトップ三人とかだったら、全然凡庸。映像も中途半端なロマンチシズムを持ち込もうとしていないでうまい。それでいてポエジーを感じる。
其の後のmitoさんという方は、さだまさしかと思ったけど、さすがに上手でした。でもさだまさしか・・・。
最近、なにも思いつかないので何かやろうとか思っていないしまあ半分廃業してるんで、人が何か出しものやってるのをみるのが素直に楽しい。

