デリー六日目、九月十七日朝の様子は昨日書いたとおりである。
今朝も八時半に起きる。体中べとべとの膜で覆われてしまったような感覚。暑さと湿気がべっとりくっついて離れない。しかも、数カ所蚊にさされたようでクソかゆい。あと、極小の蟻が何匹もはっている。自分の体から逃げるようにバスルームへ行ってシャワーを浴びる。さっぱりして少しましになったかと思えば、べとべとはそんなことでは消えてくれない。もしデリーが人だったら、その場でかんしゃく起こしてぶっ飛ばしてる。
ミュージシャンも来ないし、ダンサーも一人かけるし、俺もうちで作業するということで、リハーサルは休みになり、アヌーシャとヴィーナも終日うちいた。
午前中、作業がはかどり、これはとんとん拍子にある程度の結果を得られるかもしれないと期待するが、午後から停滞し、夕方にはなんだか無力感を感じ始めほぼ作業はストップする。一階で振付を考えたり寝たり振付を考えたりしているアヌーシャと何度か茶を飲みながら話し合い。
気がつけば九時。夕食の時間。
今日はなぜかドイツ人の環境工学だかなんだかの学者が訪ねてきているようでご一緒する。このじいさんがよくしゃべる。俺は黙々とカレーを食い続ける。
深夜、作品にちょっとしたアクセントを付けるアイデアを思いつき、構成とネタの洗い出しをする。まあ、この通りに行けば、少しは見やすくなるだろう。あとはネタのバリエーションと、つなぎ、それからオペの練習。細かい仕事がたくさんある。いつもはだらだらやっているといつの間にかやることがなくなっているみたいなパターンなんだが、今回は時間がない。効率的に、というのはいつも困る。
やけになって、仕事のことは忘れることにして、寝る前にiPhoneで太宰治の短編を数編読む。とても良い気分転換になることがわかった。いがいと、作品作りにフィードバックする。いや、太宰治に影響を受けた作品、というわけじゃないですけど。それはちょっと・・・・。


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