10月30日、日曜日。午前十一時。
なに地区って言うんだかわからないけれど、近くにイーストギャラリーがあったり、コトブッサーとかいうトルコ人街があったりするあたりらしい。らしいっていうか、歩いてたしかめたから確かである。
昨日の日記。
朝十一時にSamariterstrのbestwesternhotelをチェックアウトして、UとSを乗り継いでHeinrich-Heine-Str.までいき、がらがらとスーツケースを400mほどころがしてA&O何とかつうホテルにたどり着く。チェックインは15:00からなので、荷物をあずけてNHKのぶらりまちあるき的散歩へ。東駅からイーストギャラリー、オストクロイツ、ボックスハーゲナー、ツイッターでハチヤマがすすめてくれたベルクハインとかいう巨大クラブを横目に見ながら、東駅に戻り、ホテルの近くの古い教会の池のほとりにあるエンジェルベッケンとかいうしゃれ乙なカフェのテラス席でビール二杯にサンドイッチを食う。いくらだったかおぼえていないが、え?ってくらい安くて全部で1000円しなかったと思う。そこでiPhoneの青空文庫アプリで鴎外の舞姫をよんだ。厨房の頃だかに現代仮名遣いに平易に直したものを読んだ記憶があるが、重厚な文体で読むといいね。しかし、これは随分ひどい話だなw
でいいかんじに昼間っからほろ酔いで四時頃になってホテルにチェックイン。8階建てのビルの八階の一番奥の小部屋で、まあまあ快適ではあるが、wifiが遠くてつながりにくいのが難点である。
まどからは遠くまで見渡せるが、すぐ隣はスクウォットされた倉庫のような建物だ。あらゆる壁面、屋根がグラフィティで埋め尽くされている。
ここだけでなく、この町全体が、異様なほどのグラフィティや落書きで埋め尽くされている。さらに、長い間はり重ねられてきたポスターで元の壁や街灯のポールの表面が見えない。
どうか、とおもう。
六時にルクセンブルクから来たマネージャーのパトリックと落ち合ってメシを食う約束をしていたのでが、立場上どうしても見にいかなければいけない舞台があるので、終わったらメールするとの連絡。しかたないので、メシを探しに、歩いて1キロ弱ほどの所にあるトルコ人街?コトブッサーにケバブを買いに行く。どうも、ドナーケバブ発祥の地らしい。ほんとかしらんが。で、有名だというハジルという店でケバブ買って食いながらホテルに戻る。うまいわ。胃がもたれたけれど。
九時半頃メールが来て、アレクサンダープラッツでまちあわせ、お互いノープランだし、東京で一番ベルリンに詳しいと自負する友達が教えてくれたクラブに行ってみないかと提案して、昼間横目に通り過ぎたベルクハインにいってみた。
いってみたが、オープンしていない。なんだ、ここ入れねえじゃねえか、ひともいないし・・・なんていいながら、仕方なく隣のライブハウスへ入り知らないバンドの演奏をラウンジ的なところで聴きながらビールを数本。とかしているうちに窓の外を見ると、すごい行列がいつの間に出来ている。12:00。しかし、どうみてもクラブに遊びに来るようなタイプの人々ではない。服装も年齢層も。百メートルほどの列の一番後ろに並び、入場をまつ。
後ろに並んでいたでっかい男に、どんな音楽なの?と試しにきいてみたら、しらないよ、ガイドブックに世界で一番のクラブだって書いてあったからきてみただけだ、といわれる。確かに、見渡すと観光に来たと思われるローカル以外の人たちが多いようだ。前に並んでいる集団もイタリア人のようである。
しばらくして妙なことに気がつく。次から次へと列の横を引き返す人が通りすぎていく。入り口の方をみると、どうもそこで厳ついヘルズエンジェルスみたいな鼻ピアスのオヤジやマフィアみたいなスーツのオヤジが人差し指一本で入場できるか出来ないかの許可を下しているらしいのである。パトリックと二人で、一生懸命その基準を探していたのだが、まったく見えない。おしゃれをしてきた人たちもはねられてるし、人種でも、言葉でも、酔ってるかどうか、そんなことでもないようなのである・・・w 世の中には俺の知らない、人を見る基準というものが存在しているらしい。
しかし、引き返してきた人たちも、非常に素直に従って帰って行く。結構へんぴなところにあるのでここまでたどり着くのも大変なはずなのだけれど。まあ、セキュリティーのオヤジたちとはあまりもめたくない。
非常に不安になりながら自分たちの番がきた。前のおしゃれなイタリア人たちは、二秒ほどにらまれた後、そっこーではねられて、すごすごと帰って行った。
で、自分たちでもまったくなんでオーケーなのかわからんが、難なく入れてもらえた。なに?人数?でもないな、結構集団でもはいってたし、二人組もはねられてたし、一人でもダメな奴がいたし。
まあ、普通のクラブだった。フロアの音は良かった。三時頃までだらだら踊ったり観察したりして出る。長蛇の列と選別はまだ続いていた。相変わらず、五割ほどの人たちが追い返されている。
三時だと思っていたら、iPhoneの時計が二時を表示している。夏時間が終わったらしい。一時間得したような無いようなw
パトリックと東駅付近で別れてイーストギャラリーを抜けて歩いてホテルまで帰る。壁が壊れて世界が変わって随分たつが、とっくの昔にもう世界はその感動に浸るような世の中ではなくなってしまった。と、あらためてしみじみ思いました。


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